今回披露した緋英(ひえい)は、ウィッグのスタイリングから衣装の細部に至るまで何度も調整を重ねました。頭の上のウサ耳と赤いリボンは型紙から起こしたオーダーメイドで、ゲーム内のあのふんわりとしつつも立体的な質感を再現するために内部に隠しパーツ(隐形支撑)を入れています。ピンクのロングヘアの毛先にはグラデーションを施し、あの大きなモコモコの尻尾も合わせると全体の重量はかなりのものですが、撮影中の尻尾の配置角度が画面の躍動感を左右するため、ほぼ全編にわたってセットの微調整を繰り返していました。
小道具(小道具製作)に関しては、鈴が付いた長柄の武器を手作りしました。表面の紋様は公式設定のルーン刻線(符文刻线)を参考にしており、手に持つと予想以上にずっしりとした手応えがあります。傍らにある白黒のペンギンのぬいぐるみも再現度の高いものをわざわざ探してきたもので、構図の余白を埋めるのに一役買ってくれました。床に散りばめた丸いバッジや呪符のカード、金のサテンリボンなどは、ゲームのエレメントに合わせて一つずつ集めたもので、撮影時はこれらを使って視線を誘導し、画面が賑やかでありながら散漫に見えないように工夫しています。
今回のライティングは、柔らかな全体光に部分的な輪郭光(柔光加局部轮廓光)をプラスしました。ピンク系がもたらすソフトな雰囲気を強調しつつ、衣装の黒いレザーブーツやコルセット(黑色皮革靴子和束腰)のハードな質感とのコントラストもしっかり残したかったのです。寝そべりポーズの構図は一見リラックスしているように見えますが、スカートの広がりやリボンの自然な流れをキープするために、現場では何度も時間をかけて敷き直しました。コスプレの醍醐味は、脳内にあるキャラクターをこうして具現化していくプロセスにあります。細かなオブジェ一つひとつまで世界観を壊さないようこだわりましたので、この画面全体の完成度(完整度)を感じていただけたら嬉しいです。