この写真を撮影してからずいぶん時間が経ちましたが、こうしてアルバムを整理していると当時とはまた違った感慨が込み上げてきます。「届くかな、届くといいな」という想いは撮影中も深く心に響き、宮園かをりのひたむきな心情を表現する大切な軸となっていました。
ロケ地となった重慶の春は、山肌に咲き誇る花々が美しく、澄み切った光が石段の奥へと心地よい被写界深度を描き出していました。グレーのブレザーにプリーツスカート、ダークトーンのオーバーニーソックスとブラウンのローファーを合わせた日本の制服スタイルは、情緒ある坂道や街並みに完璧に溶け込みました。
屋外の心地よい風を味方につけ、金髪のロングヘアをふわりとなびかせることで、かをりらしい躍動感を演出。満開の花の木やレトロな街灯、長い石段の手すりなど風情あるスポットを巡り、カメラマンさんが逆光の美しいフレアとともに、切なくも生き生きとした一瞬を捉えてくれました。特に石段に腰掛けたカットでは、開放F値の前ボケを活かしたローアングルによってオーバーニーソックスと脚のラインを引き立て、主役の存在感を際立たせました。
刻々と変わる自然光に合わせて立ち位置を調整し、花枝を前ボケとして重ねることで画面に豊かな奥行きをプラス。結末を知りながらも前を向いて全力で駆け抜けた少女の強さを、誇張のない真っ直ぐな眼差しと姿勢に込めました。当時の純粋な熱量と春の情景が鮮やかに息づく、心から大切にしたい二次元撮影記録です。