この帰溟スペクターの写真は、私がコスプレを始めたばかりの頃に撮影した作品です。撮れ高の極端な低さと、写真編集のあまりの苦しさという2つの体験から、今でも非常に深い印象に残っています。当時の写真編集では、乱れた髪の輪郭や光を反射するヒレの小道具を見て一度は諦めかけましたが、乗り越えた今振り返ると、とても意義深いものだったと感じます。写真のトーンは寒色系の深海の静寂感に設定し、その雰囲気に合わせるため、セットには大量の青いドレープ布や白いドライフラワーを配置し、自身はボリュームたっぷりの白髪の三つ編みウィッグと、赤と青のリボンがあしらわれた複雑な衣装を身に纏いました。
この衣装で最も苦労したのは、脚のストラップと黒ストッキングコスプレの組み合わせでした。黒ストッキング自体が履きづらい上に、脚に幾重にも巻かれたストラップがあるため、アングルを変えるたびに直さなければならず、緩いとズレ落ち、きつすぎると肌に食い込んで動きが制限されてしまいます。撮影中に一番楽だったのは4枚目の仰向けに寝そべるポーズで、ヘッドドレスの重みを軽減できました。しかし、正面からの気品を見せる必要がある3枚目はしっかりと座らなければならず、あの帽子は非常に重く、ウィッグの重量も相まって首への負担はかなりのものでした。キャラクターの涼やかでどこか憂いを帯びた気品を再現するため、赤いカラコンと赤リップを厳選し、撮影時は笑顔を控えめにコントロールし、少し虚ろで人を寄せ付けない眼差しを意識して寒色系のセットに馴染ませました。
撮影面では、質感を際立たせるために寒色系のライティング下で多様なアングルを試みました。3枚目は中央配置の正面座り構図で、脚のラインとストラップのディテールを魅せるため、開放F値で背後の青い花をぼかしてメインの表紙に適した構図に仕上げました。帽子をかぶった横顔や武器を構えた2枚は光と影の扱いがより難しく、大きな横顔のアングルは顔の光が不均一になり輪郭が硬く見えやすいため、撮影時のレフ板の当て方が極めて重要でした。
当時はまだ初心者だったため、衣装素材ごとの撮影ノウハウもあまり把握していませんでした。例えば黒のレザーとシースルーの黒ストッキングの組み合わせは、ストロボや強光を当てるとテカリやすく、写真編集で局所的な露出を丁寧に調整しないと安っぽく見えてしまいます。赤いネイルも大きなアクセントで、杖を握るポーズと合わさって力強い存在感を醸し出しています。小道具の斧は実際とても重く、少し持っているだけで腕が疲れてしまうため、武器を持ったカットはかなり素早く撮影を進めました。
撮影全体は長丁場となり、複雑な衣装を着てウィッグを整えるだけでも1〜2時間はかかりました。当時は写真編集で目が回りそうになりましたが、こうして一連の写真をまとめられたことは、当時の自分の感性や状態の記録にもなっています。特有の冷涼で幻想的な雰囲気を追求するため、3枚目のポーズでは胸元に垂れる白いロングヘアや青いリボンの位置を意識的に調整し、画面が単調にならないよう工夫しました。この深海のカラーリングとキャラクター独自の魅力により、コスプレに対する理解が一層深まりました。重労働ではありましたが、本当に価値のある挑戦でした。