今回撮影したがうる・ぐら(グラ)のサメちゃんスタイリングは、強い日差しを活かして天然のハイキーフィルターのような空気感を作り出すことに注力しました。画面に透明感を出すためベースメイクは極めて薄く仕上げ、アイメイクとチークに工夫を凝らし、透け感のあるピンク系カラーを使って強い光による白飛びや血色の悪さを抑えました。衣装はゆったりとした白Tシャツを選び、あえて片側の肩を落として着崩すことで、抜け感のあるラフさを演出しました。凝った生地を使わないシンプルなコーデだからこそ脚の見せ方がポイントとなり、真っ白なショートソックスをチョイス。この白ソックスと素足の組み合わせは、強い光の下で肌の質感をとても綺麗に、かつ清潔感たっぷりに見せてくれます。
撮影中は気を配るべきポイントがたくさんありました。胸元の「NYA」プレートは細い紐で吊るされているため、少し体を動かすだけで揺れてしまいます。両手のふわふわな猫の手はとても可愛い反面、サイズが大きいので光を浴びると濃い影ができやすく、顔が隠れてしまわないよう手を掲げる角度を常に意識する必要がありました。背中の青い尻尾は軟質素材とファーで作られており、あぐらをかくと潰れやすいため、数カット撮るたびに立ち上がって毛並みを整え、まあるく膨らんだ形をキープしました。
今回は開放的な窓辺で撮影を行い、午後の強い日差しによる逆光や半逆光が綺麗に交差していました。しゃがみ、あぐら、足を投げ出す姿勢など様々なポーズを試み、気ままでアンニュイな仕草をスナップするように捉えました。カメラマンの構図も素晴らしく、周囲の白い壁や球体のオブジェ、窓外の植物を巧みに背景として活かし、大口径レンズのボケ味で背景を整理して視線をキャラクターへ集中させてくれました。逆光での撮影はアイキャッチ(瞳の輝き)がはっきりと入り、瞳がキラキラと輝くため、キャラクター特有のみずみずしい魅力を引き出すのにぴったりでした。
こうしたハイキーでコントラストを効かせた二次元撮影スタイルは、メイクやポージングのハードルが高いものの、柔らかく幻想的な世界観を作るには最も効果的だと感じます。清楚・キュート・シンプルを基調とした表現において、最大の試練となるのは光の扱いとモデルの表現力です。ポーズを変えるたびに太陽光の差し込む角度を肌で感じ、髪の輪郭に美しいリムライト(輪郭光)が乗るよう調整しました。写真はこのクリーンなトーンを大切に残しており、窓辺で日向ぼっこをする子猫のような雰囲気を精一杯表現しました。暑くて体力も使いましたが、思い描いた通りの空気感を形にできて本当に嬉しいです。