このlily white(リリーホワイト)をテーマにした3人の生写真撮影は、実はかなりの準備期間を費やしました。3着の衣装はそれぞれ、黄白ストライプ、青白格子柄、そして白地に紫のドット柄となっており、スカートは非常にレイヤー感豊かな仕上がりです。幾重にも重なるフリルと内側のパニエのボリュームによって、全体のシルエットがまるでステージ上の洋人形(ドール)のように愛らしく仕上がりました。ウエストの大きなリボンも重要なポイントです。左側のオレンジ髪のキャラクターの黄色いベルト、中央の青いロングヘアのキャラクターの光沢感あふれるブルーの大きなリボン、および右側の紫ドット柄のキャラクターのスカートのサイドに結ばれた紫色のチュールリボンなど、これらの存在感のあるアクセサリーは、ウエストラインを引き締めるだけでなく、デコラティブな衣装をすっきりと見せる視覚的フォーカスとなっています。
ウィッグのスタイリングは、今回の造形における最重要課題でした。オレンジのショートボブはトップにしっかりとしたボリューム(蓬松度)を持たせないと、頭に張り付いて見えてしまいます。中央のストレートロングは毛量がたっぷりで、深みのあるブルーの色味も絶妙。スタジオの強い照明の下で美しくツヤめき、抜群の質感を見せてくれました。右側の紫がかった黒髪ロングは、自然なニュアンスのカールが施されており、頭に乗せた同系色の小さな丸帽子と相まって、彼女の持つキャラクターの雰囲気を完璧に再現しています。メイクに関しては、3人それぞれの個性やパーソナルカラーに合わせたリップカラーを選びました。左側のキャラクターはオレンジ系でまとめた元気いっぱいな目元に仕上げ、中央のキャラクターはクールで知的な切れ長の目元を強調、右側のキャラクターは目尻を少し跳ね上げることで、大人っぽく優しい雰囲気を演出しました。ベースメイクには崩れにくいキープ力の高いリキッドファンデーションを使用。ステージ照明やスタジオ撮影の強力なストロボを浴びても、テカリを抑えて一日中美しい肌をキープできました。3人お揃いの白いショートグローブを着用したことで、全体の立ち振る舞い(しぐさ)にクラシカルな気品と優雅さをプラスしています。
今回の撮影では、スタジオ撮影の写真(あの青とピンクのグラデーション背景のもの)だけでなく、実際のステージでのパフォーマンスを記録したショットも収めています。スタジオ撮影では、2色の調光ソフトボックスを使用してピンクとブルーのグラデーション背景を作り出し、さらに白いチュールやペーパーフラワーのデコレーションをあしらうことで、2枚目の写真のようなファンタジーでドリーミーなビジュアルを実現しました。頭上に輝く「Lily White」のロゴアートと、光を放つ蝶のエフェクトはレタッチ(後処理)で追加したもので、全体の雰囲気をワンランク上の次元へと引き上げてくれました。一方、上半分のステージ写真は全く異なる表情を見せてくれます。フルカラーLED大画面を背景に、複雑に変化する照明の中でも、実際のステージパフォーマンスで私たちが織りなす躍動感あふれる一瞬を捉えており、スタジオでの静的なポージングとの美しいコントラストが生まれました。ステージでの撮影中、マイクを持つ動きに合わせて手元の位置やポーズをアドリブで微調整したのですが、このライブ感あふれるリアリティはスタジオ撮影では完全に再現できない特別な魅力です。
3人での合同撮影(団片)において最も試されたのは、息の合ったチームワーク(默契度)でした。誰か一人のポーズや視線がズレるだけで全体のバランスが崩れてしまうため、お互いの呼吸を合わせる必要がありました。カメラマンさんはとても辛抱強く、立ち位置やフォーメーションを何度も丁寧に指導してくれました。スカートのボリュームが非常に大きいため、限られた撮影スペースの中で、お互いが重なり合って隠れてしまわないように距離感を調整するのは一苦労でした。撮影中、ウィッグが少し乱れたり、スカートのドレープが崩れたりすることもありましたが、現場に専属のスタイリストさんが控えていてくれたため、その都度綺麗に直してもらうことができて助かりました。こうした複数人の合わせ撮影で最も大切なのは、カラーパレットの調和です。特に3人が横一列に並んだ時のビジュアルバランスには細心の注意を払いました。
すべての写真を整理し終えて、当日の撮影を振り返ると、本当に時間が経つのがあっという間だったと感じます。メイク、衣装の着用、ウィッグのセッティングから、最後にすべての造形を外すまで、ウィッグネット(ウィッグキャップ)による締め付けで目元や頭が少し痛むなど過酷な面もありましたが、仕上がった素晴らしい瞬間(写真)を目にした時、そのすべての苦労が報われたと実感しました。コスプレをするということは、ただ衣装を身にまとい、キャラクターの心境を追体験するだけでなく、最高のメンバーや頼もしい裏方スタッフの皆さんと共に、一つの美しい作品を創り上げるプロセスそのものにあります。この衣装のディテールや全体のこだわりが、これから同様の大型合わせ撮影(団片)に挑戦しようと考えている方々の参考になれば幸いです。