今回のイベント撮影では黒セイバーに挑戦し、本番の2日前からキャラクター特有の高貴で冷徹な佇まいをいかに表現するか試行錯誤していました。カメラマンさんが早めに会場入りして良い光が入る角を見つけてくださり、暗調の背景に頭上からのスポットライトが当たることで、混雑した周囲から被写体を綺麗に浮かび上がらせることができました。撮影中は表情筋を細かくコントロールし、視線をやや落とし、口角を水平に保って笑みを封じるなど、冷淡な表情をキープするのに集中力を注ぎました。3枚目の座りポーズは現場でのアイデア変更で、当初は立ったまま剣を構える予定でしたが、ハイスツールに腰掛け、剣を杖のように立てて脚を組むスタイルに変えたところ、立ち姿以上に威圧感と重厚なオーラを放つことができました。脚のラインをすらりと美しく見せるため、黒のピンヒールにプリーツスカートを合わせ、下半身のプロポーションを引き締めて立ちポーズ以上に魅力的なビジュアルに仕上げました。
特筆すべきは剣の重さで、想像をはるかに超える重量感がありました。片手で柄を握って振るったり地面に立てたりする際、姿勢を安定させるための腕力と体幹のキープ力が試され、少しでも油断すると剣先がブレて写真がボケてしまうほどでした。イベント会場は人通りが非常に多く、周囲の雑音や複雑な光が撮影の難易度を上げていましたが、人の写り込みを避けるため、カメラマンさんは地面に伏せたり椅子の上に立ったりしてローアングルを探るなど全力で撮影に臨んでくれました。
メイク面では黒セイバーのクールビューティーな魅力を再現するため、ベースを白く仕上げ、アイメイクにダークレッドを効かせ、リップには鮮やかな純赤を選びました。ウィッグは原作通りの銀白髪ですが、暗がりでは光を吸って顔が平面的に見えやすいため、カメラマンさんが顔回りに程よい補助光を入れてくれたことで、完成写真のような立体感が生まれました。唯一の心残りは手袋を忘れてしまったことです。出発時に急いでいて車に乗ってから家に忘れたことに気づき、青ざめました。取りに帰る時間がなかったため、急遽デリバリーで調達したレースの指ぬきグローブで代用しました。同系色とはいえ原作の質感とは異なり、完全な再現とは言えない形になってしまい、解釈違い(OOC)となってしまったことをお詫びします。多少の反省点は残るものの、写真全体の空気感は非常に良く、ダークブルーのドレス、赤黒の剣、そして冷徹な眼差しが合わさり、期待通りの強い視覚的インパクトを生み出すことができました。猛暑の中で重い機材を抱え、人混みを縫ってアングルを探してくださったカメラマンさんにも心から感謝しています。ハプニングも含めてとても楽しい二次元コスプレ体験となり、仕上がった作品を見て、あの数時間の頑張りがすべて報われたと感じています。