今回のディルックコスプレの撮影は、大剣を手にした瞬間からまさに体力勝負になることが決まっていました。小道具の大剣は想像以上に重く、腕でしっかりと剣を構える安定感だけでなく、表情が崩れないよう常に気を配る必要がありました。今回の撮影では、メイク・スタイリングと雰囲気作りに最も注力しました。赤髪のウィッグは3回にわたってカットを施し、特殊なセット技法で根元を立ち上げることで、頬の両側に自然に落ちる重厚感のある毛流れを再現しました。赤いカラコンは特注のもので、照明の下で透き通るような美しい光を反射してくれます。コートのタッセルや裏地の刺繍など細部の装飾が非常に多いため、衣装にシワが寄らないよう常に整えながら撮影を進めました。
撮影中は、深紅のカーテンと白黒のチェッカーフラッグ(市松模様)の背景が画面に強いドラマチックな緊張感を与えてくれた一方、光を吸収しやすい環境でもありました。カメラマンさんが左側からの硬質なライトを調整してくれたおかげで、フェイスラインや剣身に施された赤と金の紋様がくっきりと美しく浮かび上がりました。キャラクターの持つ重厚で落ち着いた佇まいを表現するため、片膝をつくポーズや剣に寄り添う立ち姿など数え切れないほどポージングを試行錯誤し、大剣が自然に見えるよう手元の角度を細かく微調整しました。撮影は丸4時間にも及び、体力は使いましたが、完成写真の光影や衣装の質感を見た時、すべての苦労が報われたと実感しました。
個人的に一番気に入っているのはメイクです。キャラクターの気質に合わせるため、アイメイクをシャープに仕上げ、ベースのシェーディングの清潔感にも徹底してこだわりました。大剣を握った時のリアルな重量感がダーク系コスプレの衣装と相まって、撮影中は自然とキャラクターの世界観へと没入することができました。全体のゴシック風写真のテイストが完璧に表現された、非常に思い出深い撮影体験となりました。