【アルトリア コスプレ】Fateシリーズで紡ぐレトロフラワーハウスの記憶 - 1 枚目

今回の写真とともに、撮影とレタッチのこだわりについて振り返ります。モチーフとなったのはFateシリーズのキャラクターです。

衣装は3ヶ月前にオーダーメイドで仕立てたもので、白シャツには張りのある厚手のT/C素材を使い、襟元を端正に立たせました。パフスリーブの膨らみ具合も何度も微調整を重ね、当初はもっとボリュームを出す予定でしたが、膨らませすぎると肩幅が広く見えてしまうため、程よく控えめなラインに落ち着かせました。濃紺のスカートには落ち感の美しいスーツ生地を採用し、綺麗なシルエットを保つために裾裏に硬めの芯地を施しています。普段はゆったりした服に慣れているため、こうしたかっちりとしたスカートは立ち座りの所作に細心の注意が必要で、油断するとウエストや背中に目立つシワが入ってしまいます。

ヘアメイクで一番苦労したのは金髪のセットでした。明るめのブロンドウィッグを選び、後頭部の三つ編みを編みやすくするために毛先をヘアアイロンで内巻きに整えました。アホ毛やパサつきを抑えるためにヘアオイルをしっかり馴染ませています。瞳にはブルーグリーンのカラコンを選びました。ベースメイクはマットファンデーションを選び、ルースパウダーを厚めに重ねて崩れを防ぎました。温室スタジオ内が非常に蒸し暑く、カメラマンの冬次郎さんから立体的な陰影を求められて強いライティングを組んでいたため、テカリによる鼻筋の白浮きを防ぐ必要があったからです。

ロケーションは冬次郎さんが見つけてくれたレトロなフラワーハウスで、木製キャビネットやアンティーク調の鏡が配されたクラシカルな空間でした。手にした藤の花やデージーは小道具ですが、花束にずっしりとした重みがあり、片手で持ち続けるとすぐに腕が痛くなってしまいました。事前に持ち方を練習しておいたおかげで、左手で底を支え、右手を茎にそっと添えることで、とても自然な仕草に見せることができました。

撮影当日の午後の光は絶好のコンディションで、適度な薄暗さの中に綺麗なサイドハイライトを落とし込むことができました。ポーズを変えるたび、冬次郎さんが「少し顔を左へ」「顎を軽く引いて」「肩の力を抜いて」と的確に指示を出してくれたおかげで、キャラクター特有の凛とした静けさと芯の強さを表現するのに大いに役立ちました。長袖・ロングスカートの装いで密閉された温室での撮影だったため、数セット撮り終える頃にはシャツの前後が汗で濡れてしまうほどでした。合間に手持ちの扇風機で涼みながら2回メイク直しを挟み、アングルやポーズの調整にも時間をかけ、1回のシャッターの裏に何分もの準備を重ねました。

レタッチ作業も丁寧に進めました。Lightroomでは暖色系のイエローとローキーを基調にトーンを調整し、背景のウッドカラーに深みを持たせて手前の人物を引き立たせました。白い衣装は白飛びさせず、グレーの階調を残して布地の質感をキープしています。紫の花と青いドレスを寒色のアクセントとして効かせることで、画面が重くなりすぎないようバランスを取りました。Photoshopでの肌補正では質感をしっかり残し、不自然なツルツル肌にならないよう配慮しました。人物の輪郭にはかすかにインナーグローを乗せてレトロなソフトフォーカス感を加え、スカートのシワはリキファイツールで自然に整えました。

一連の写真を作り終えて、作品づくりへの理解が一層深まりました。キャラクターの再現度は、生地の質感、毛流れの向き、光と影の調和といった細部にこそ宿るものだと実感しています。今回の作品はFateシリーズへのリスペクトを込めたものであり、納得のいく佇まいでキャラクターを写真の中に収めることができ、すべての苦労が報われました。