ニェン監督の立ち絵ポーズを再現するのは、本当に一筋縄ではいかない挑戦でした。設定画にあるアンニュイでありながらどこか尊大な空気感、そして難易度の高い足組みや扇子の持ち方は、姿勢の美しさがシビアに求められます。撮影では伝統的な中華風の太師椅子を用意し、暖色系のライティングと背後の書道掛け軸を合わせて、クラシカルな気品をできる限り表現しようと試みました。白髪、赤い角、そして太く立派な白い尻尾は着用するだけでも一苦労で、特に尻尾はずっしりと重く、座った時に自然に垂れ下がる位置を見つけるのが大変でした。
最初はイラストのポーズを完全にそのまま再現しようとしましたが、脚を組んだ瞬間に全体の重心が崩れてしまい、全くバランスを保てませんでした。横でカメラマンさんが大爆笑する中、必死に体勢を整えましたが、3分キープしただけで脚が痺れてしまい、一番理想的なアングルを断念せざるを得ませんでした。最終的には次善の策として、比較的ポーズを維持しやすいアレンジ姿勢を選び、それが今回お見せしているこの1枚になります。
白の改良チャイナドレス(旗袍)は肌の白さを引き立て、赤い手袋と赤い扇子の組み合わせも視線を惹きつけるのに十分でした。しかし座り姿と脚の伸びやかさをコントロールするのは本当に難しく、カメラのパースによって脚が短く見えやすいため、目線の表情と連動させながら絶妙な遠近感を探る必要がありました。何枚か撮影して元データを確認したところ、僧帽筋に力が入りすぎて窮屈そうに見え、ニェン監督特有の余裕綽々とした大物感が損なわれていることに気づきました。
私のことをよく知る友人ならご存じの通り、私は普段あまり運動をせず姿勢も悪いため、肩や背中が猫背になりがちです。そのため今回の撮影は内心かなり緊張していました。プレビュー写真にもその弱点が如実に表れており、脚がしっかり伸びていなかったり、腰や背中の傾きが不自然だったり、足の指先まで強張ってどこかぎこちなく写ってしまいました。
とはいえ、これも撮影プロセスのリアルな記録と言えます。元イラストのポーズは絵師さんが構図のダイナミズムのためにデフォルメしたものであり、柔軟の専門訓練をしていない生身の人間が完全に再現するのは至難の業です。あのぎこちないカットはまだ未修正ですが、今後はリキファイ(液化)ツールを駆使して肩のラインをすっきり整え、脚の筋肉ラインを綺麗に補正してキャラクター本来の雰囲気に近づける予定です。
レタッチの合間を縫って、まずは一次現像を終えた写真を1枚アップします。元絵の神髄を100%再現できたとは言えませんが、衣装のスタイリングや小道具のディテールには真心を込めました。赤い扇子をバッと広げた瞬間、暖黄色のスモークと相まって非常に雰囲気のある絵になりました。未修正のNGカットは、今回の撮影の隠しネタ(おまけ)として楽しんでいただければ幸いです。
実は元宵節当日はこの撮影に追われて湯円(団子)を食べ損ねてしまいましたが、どうやってポーズを決めるか試行錯誤する楽しさに没頭し、とても賑やかな現場でした。ニェン監督は映画の撮影で忙しくて営業に出てこられないので、代わりに私がなりきってみました!まだまだ至らない点も多い写真ですが、春節と元宵節の締めくくりとして非常に充実した時間を過ごせました。不完全な部分も含めて温かい目で見ていただき、皆さんが毎日楽しく過ごせることを願っています。