今回の今汐の撮影は重慶芦毛写真スタジオにて行いました。カメラマンの子騫先生のライティング設計は非常に明快で、ダークトーンの背景に白い龍の造形プロップを配し、足元の水面反射を加えることで画面に圧倒的な奥行きと立体感を生み出してくれました。鳴潮の衣装は細部まで作り込みが多く、黒い甲冑にあしらわれた金の縁取りや裾の地紋、そしてレッグリングと白のオーバーニーソックスの組み合わせに至るまで、質感を忠実に再現するため事前に自宅で念入りにフィッティングを重ねました。銀髪のロングウィッグは非常に長く絡まりやすいため、本番前に全体を丁寧にブラッシングし、前髪の丸みを美しく整えました。
撮影中の所作にも工夫を凝らしました。例えば筆を手にするポーズでは腕を浮かせたままだと疲労が溜まるため、木箱に肘を預けたり手首を軽く添えたりと重心を上手に逃がす技術が求められます。3枚目は今回一番お気に入りの構図で、木箱に横座りしながら手前の蓮の花や木組みを前ボケとして活用。身体の流麗なラインを引き立てつつ、優美な裾を自然に広げることができました。淡いブルーのカラコンと透明感のある陶器肌メイクも、この清冷なトーンに見事に調和しています。顎の角度をミリ単位で調整してフェイスラインと視線の力を際立たせ、主役を中央に据えつつ背景の龍や蓮のために絶妙な余白を残す構図が徹底されました。
画面上は神秘的で浮世離れした世界観ですが、足元には配線が張り巡らされており、木箱の上で水盤内のレフ板を避けながらバランスをとるなど舞台裏ならではの苦労もありました。白タイツコスプレとレッグリングの組み合わせは脚長効果を際立たせ、作品全体の大きな見どころとなっています。ヘアピンで髪飾りを強固に固定して振り返り時のズレを防ぎ、長大な青白のリボンが顔に影を落とさないよう位置をこまめに整えました。メイクや小道具の準備からポージング、光影の調和に至るまで大きな学びが得られた撮影であり、遠景の蓮や古代文字のモノトーンの階調が、温色系の撮影とは一線を画す鮮烈なインパクトを残してくれた満足度の高い体験となりました。