今回のロケ地は一面に広がる広大な月見草の花畑でした。夜になると光量が落ち、地面もぬかるみや芝生であったため、昼間よりも全体の撮影難易度が格段に上がりました。まずはヘアメイクと衣装についてですが、この衣装には軽やかな薄絹や反射素材が多く使われており、少しの風でもスカートや背中の透明な羽が乱れてしまうため、屋外で美しい立ち姿を維持するのにかなり気を配りました。髪飾りとウィッグも特注品で、キャラクターを忠実に再現するためにレイヤーやグラデーションを細かく作り込み、準備にかなりの時間を費やしました。夜景ポートレートの撮影ということで、カメラマンさんは事前にロケハンを行い、光とロケーションを綿密にテストしてくれました。レフ板と定常光ライトを用いて月明かりが人物を照らすような効果を演出し、背景の花畑や夜空の雰囲気を損なうことなく、人物の明るさをしっかり保ちました。星空の部分はカメラマンさんが広角レンズとスタック処理を駆使して撮影したもので、雲が完全に晴れ渡るまで現場でじっくり待ってからシャッターを切りました。絞りはf/1.8〜f/2.8前後に設定し、手前のピンクの花を前ボケにすることで夢幻的な世界観を作り出しています。撮影中は履いていた白いロングブーツが草地を踏みしめるうちにかなり汚れてしまい、夜の花畑は風が強いため乱れた髪や揺れるシースルーを整え直す作業も多く、1つのポーズを綺麗に決めるまでに何度もテイクを重ねる必要がありました。軽やかさを表現するため、ジャンプや片足立ちを繰り返す必要があり、太ももや脚の筋力がかなり求められ、撮影後はかなりの疲労感がありました。しかし仕上がった写真を見ると、寒色系の夜空やピンク紫の花畑、白ストッキングとロングブーツの質感、そして手元の小さなランタンの光が美しく調和し、全体的な空気感にはとても満足しています。レタッチでは主に肌のトーンと花畑の色彩の統一を図り、透明感のある画面を意識しました。最も根気が必要だったのは光の角度の調整で、ランタンの光が強すぎると白飛びし、弱すぎると沈んでしまうため、位置を微調整しながら綺麗な点光源の光ボケを作っていきました。これほど広大な自然の中で夜景ポートレートを撮影したのは初めてでしたが、これほど素晴らしい雰囲気を形にできたのは本当に幸運であり、カメラマンさんとの息の合った連携のおかげです。