『ブルーアーカイブ』竜華キサキの水着ロケは、もともと竹林の奥深くにある澄んだ小川や小石の河原で撮影する予定でした。ところがいざ現地に到着してみると、ここ数日の雨で増水しており、本来足を踏み入れるはずだった浅瀬は激流へと姿を変えていました。重たい撮影機材を背負って2キロほど山道を歩いた末、やむなく山の中腹にある竹の橋や石橋へとロケーションを変更して撮影を進めることになりました。
今回のキサキ 水着スタイルはブラックとゴールドを基調としています。彼女が放つ神秘的でどこか危険な気品を忠実に再現するため、黒のセパレート水着をベースに選び、上からベロア調のロング黒カーディガンを羽織り、艶やかな黒髪には簪のアップヘアと象徴的な角状の髪飾りをセットしました。小道具には黒の油紙傘を用意。布面積の少ない水着なので、当初は清涼感あふれる夏の空気感を撮れると思っていましたが、現実は竹林の蚊が容赦なく襲いかかり、おまけに道端のイラクサに触れてしまって腕や脚がヒリヒリと痛むなど、撮影中は常に肉体の限界や過酷な自然環境との戦いでした。
初めての竹林でのロケだったこともあり、経験不足を痛感する場面も多々ありました。竹橋の隙間は広く、裸足で乗ると足裏が痛むだけでなく、足を滑らせたり踏み外したりしないよう常にバランスに気を配る必要がありました。傘を差す仕草は一見優雅に見えますが、実際には手首や肩の力加減を緻密にコントロールしなければならず、傘の角度がわずかでもズレると顔に不自然な影が落ちてしまいます。カメラマンさんが竹の葉の隙間から差し込む木漏れ日を追い続ける中、私は立ち姿や座りポーズ、振り返りのニュアンスを根気よく微調整し続けました。水着にロング丈の羽織りという組み合わせは移動中に小枝に引っかかりやすく、頻繁に手で裾を払いながらの撮影となりました。色香とキャラクター本来の冷徹な気品を両立させるため、身体の重心をやや後ろに預け、背筋を伸ばして脚のラインをすらりと長く見せつつ、瞳の奥には静かな冷ややかさを保つよう意識しました。
川の増水によって水位が跳ね上がっていたため、水辺の岩の上に立つ予定だった構図は危険すぎてすべて白紙となり、橋の上での撮影に集中しました。座りポーズのカット(2枚目)では、竹の継ぎ目に雨水が溜まっており、腰を下ろす瞬間は本当に勇気が必要でした。羽織りの裾をつまんで身体を斜めに構え、脚を緩やかに曲げることで、リラックスしながらも緊張感を失わない美しいポーズを追求しました。撮影中も、水着が持つ儚げな透明感といざというときの戦う気迫をいかに調和させるかを考え、傘を手に構えるカットから傍らにそっと置くカットまで多彩なバリエーションを試みました。
屋外ロケ、とりわけ足場の複雑な自然地形での撮影には、事前の入念な備えが絶対に欠かせません。虫除けスプレー、絆創膏、歩きやすい靴はマストアイテムです。今回は天候の影響で理想通りの清流の河原で撮ることは叶いませんでしたが、竹林の移ろう光と影、そして竹橋ならではの素朴な古の風情が、この水着写真に野生味とリアルな息づかいを添えてくれました。カメラのモニターに映し出された完成カットを見つめながら、全身の疲労や脚の引っかき傷を抱えつつも、予測不能な大自然の中でこれらの美しい瞬間を永遠に焼き付けることができ、あの険しい山歩きも十分に報われたと感じています。