今回のイベントでは友人2人と一緒に、ピンクをテーマにしたお揃いのスタイリングを合わせました。3人で集まってグループ写真を撮るとなると、一番大変なのは事前の日程調整です。普段はお互いに忙しく過ごしているため、当日に会場で無事合流できただけでも感動でした。私たちが目指したビジュアルは華やかなアイドルステージ感とファンタジー要素を兼ね備えていたため、出発前のアクセサリーの仕込みや整理だけで2時間近くを費やしました。私の頭上の光輪は針金と発光テープで自作して固定したもので、人混みの中で行き交う人のリュックに引っかからないよう細心の注意を払って歩きました。背中の翼パーツは軽量なもののかなりのボリュームがあり、入場ゲートの改札を通る際も体を斜めに滑り込ませる必要がありました。足元の厚底シューズは抜群のスタイルアップ効果をもたらしてくれる一方、広大な会場を歩き回るのは本格的な体力勝負です。全体の統一感を保ちつつ個性を出すため、足元のコーディネートは3人それぞれでアレンジを加えました。黒×ピンクのボーダーオーバーニーソックスを履く子、リボン付きの白ストッキングを合わせる子、そして私はピンクと白のハイカットスニーカーにショートソックスをチラ見せするスタイルをセレクト。こうした足元のディテールの違いが、全体の調和の中にそれぞれの確かな存在感を宿してくれました。
会場に入った後は、休憩エリアの近くで比較的スペースの開けた場所を見つけてイベント写真の撮影をスタート。イベント会場特有の真上からのトップライトは非常に強く、雑多な光が入り混じるため、普通に撮ると顔に濃い影が落ちてしまいます。そうした厳しいライティングを避けるため、何度もアングルを検証し、最終的に斜めから光が回るサイドライトの位置を確保して立体感のある輪郭を描き出しました。グループ撮影で何より大切なのは自然な掛け合いと空気感です。3人が直立不動でピースサインをするだけでは、どうしてもぎこちない仕上がりになってしまいます。そこでそれぞれの衣装のテイストに合わせてポーズを練り直しました。左側の子はダークなテックウェア風だったので腕を広げてダイナミックな張りを出し、中央の子はアイドル衣装のような華やかさがあったため魔法のステッキを構える優雅なポーズを披露。私のスカートはふんわりとしたボリュームがあったので、片脚を軽く持ち上げてアクティブな躍動感をプラスしました。カメラマンさんがシャッターを切る中、私たちは自然におしゃべりを交わし、顔を見合わせて微笑み合いながらリラックスした表情を引き出しました。
イベント撮影において最もコントロールが難しいのは、周囲を行き交う一般の来場者です。背景には常に人の流れがあり、せっかく完璧な表情を作った瞬間に荷物を抱えた人がフレームインしてしまうこともしばしば。画面をすっきりと整理するため、何度もテイクを重ねたり、浅い被写界深度を活かして背景を大きくぼかしたりして工夫しました。中盤には汗でウィッグに少し乱れが生じたため、順番に化粧室へ向かってクシとスプレーで毛流れを整え、メイク直しを挟みました。手間のかかる作業の連続でしたが、お互いに衣装を整え合い、小道具の位置を直しながら一つの作品に向かって力を合わせる時間は、コスプレチームビルディングならではの素晴らしい連帯感に満ちていました。ピンク、白、黒で統一された3人のカラーブロッキングは、展示ホールの無機質で無骨な鉄骨フレームを背景に鮮烈なコントラストを放ち、頭上の光輪や背中の翼といったファンタジックな意匠が重なり合うことで、画面全体に極めてリッチなボリューム感が生まれました。
撮影は立ち位置のフォーメーションを変えながら1時間以上に及びました。イベント会場の光や背景はスタジオのように完璧にコントロールできるわけではありませんが、イベント写真にしか出せない熱気やリアルな臨場感は、閉ざされたスタジオでは決して生み出せない魅力です。撮影を終えた後は、棒になった足を引きずりながら3人でブースを巡ってグッズを買い、重い装備に耐えたお互いの健闘を笑い合いました。ホテルに戻ってメイクを落とし、カメラから取り込んだ写真データを確認した瞬間、流したすべての汗と足の痛みが最高の喜びに変わりました。気の置けない仲間と3人でこれほど完成度の高いガールズグループ風コスプレの併せを実現できる機会はそう多くありません。こうして集まり、かけがえのない思い出を写真に残せたこと自体が本当に幸せな体験となりました。