今回の撮影テーマはアスカの「非戦闘日」。弐号機に乗る必要のない休日は、いつも神経を張り詰めているあのツンデレ少女が、誰にも自分を証明しなくていい気ままな時間を過ごせる貴重なひとときです。そんな肩の力を抜いたリラックス感を表現するため、スタイリングには細やかな工夫を凝らしました。プラグスーツの窮屈さから解放され、アスカのアイコニックなカラーリングを意識した赤白ボーダーのビキニをセレクト。夏の涼やかさを添えています。
メイク面では、鼻筋から両頬にかけて繊細なそばかすを描き込みました。原作の設定にはない大胆な試みでしたが、10代の少女らしいリアルな息づかいと生命感を宿らせることができたと感じています。アイメイクには鮮やかなブルーのカラコンを用い、瞳を大きく見せつつ、勝ち気な誇りとどこか滲む迷いが同居した視線を追求しました。
ヘッドアクセサリーの赤いA10神経接続器(インターフェイス)は、頭の形にフィットしつつ重々しく見えないようピンで固定し直して研磨。ウィッグは鮮やかなオレンジ色で、ツインテールの自然なカーブを時間をかけて調整しました。固まったプラスチックのようにならないよう、毛先に束感のある後れ毛を遊ばせ、自然体ならではの柔らかな質感を大切にしています。
今回の撮影機材にはHasselblad X2D II 100Cを使用。中判カメラならではの圧倒的な描写力には感嘆させられます。色深度と明暗のグラデーションが極めて豊かで、わずかな光の揺らぎも繊細に描き出してくれました。一方で肌のコンディションが克明に写し出されるため、ベースメイクを丁寧に作り込み、現像時に肌本来のきめ細やかな質感を残せるよう配慮しました。
ライティングは午後の日差しが優しく拡散するような質感を狙い、直射の硬い光を排して大型ソフトボックスとレフ板を駆使し、屋内に自然光を模した柔らかな空間を構築。背景にはボケ感のある観葉植物やキッチンのシンクの輪郭をあえて残し、冷たいスタジオ感ではなく日常の温もりある生活感を漂わせています。
ポージング指導においても大げさで派手な動きは避け、少し身体を斜めに構えて顎にそっと手を添える自然な佇まいを意識。カメラをまっすぐ見つめる瞳には強い攻撃性を込めず、それでもアスカの芯にある譲れない意地がほのかに宿るように促しました。肩の力を抜き、深呼吸を繰り返し、本当に何気ない週末の午後を過ごしている感覚を大切にシャッターを切っています。
仕上がりは非常に満足のいくものとなりました。過度な媚びや力みすぎたポージングを削ぎ落とし、陽光の下で少女が手に入れた一抹の安らぎを穏やかに切り取ることができました。強がりなアスカの内面にはいつだって柔らかな心があります。この作品は、私自身の心の中にあったささやかな願いを叶えてくれた大切な記録です。