今日出かける前の天気予報では晴天のはずだったのに、温室に足を踏み入れた途端、レフ板を立てる間もなく外の天気が急変。カンカン照りの太陽が一瞬で黒雲に飲み込まれ、激しい豪雨が降り始めました。植物園特有の蒸し暑く湿気の多い環境は、メイクにとってまさに過酷な試練でした。今日は南ことりのメイド服で、キャラクター設定に寄り添うために鏡の前で元気いっぱいの癒やしの笑顔をずっと練習し、彼女ならではの明るく愛らしい気品を表現しようとしていました。ですが道中の猛暑に耐え、さらに豪雨で温室に閉じ込められて逃げ場を失った後では、どうしても気力が追いつきませんでした!どんなに感情を奮い立たせようとしても顔の筋肉に疲労が滲み出てしまい、無理に明るく振る舞うことができませんでした。
仕上がった写真からも、私の眼差しに漂うやりきれなさが伝わるかと思います。普段の撮影日常の中で、左側のフェイスラインの方が綺麗に見える気がして、無意識に左顔をカメラに向けてしまう根強い癖があります。今日もまさにその通りで、カメラのモニターを確認するとほぼすべてのカットが見慣れた角度ばかりでした。カメラマンさんが何度も角度を変えるよう誘導してくれ、私自身も頭の中で必死に意識していたのですが、いざシャッターが切られると身体の防衛本能でいつものポーズに戻ってしまっていました。次回は必ず自分に言い聞かせて正面や右側の顔にも挑戦し、このコンフォートゾーンを打破して新たな表現力を引き出したいです。
衣装についてですが、この白黒のメイド服はお行儀よく見えるものの、温室内で着るにはかなり蒸れました。黒の長袖に重ねられた白いレースのフリル襟、胸元のネイビーのリボンなどディテールはとても繊細ですが、蒸し暑さの中で平常心を保つのは至難の業でした。ウィッグのセットを崩さないよう上半身をできるだけ静止させ、手元にみかんや小さな観葉植物を小道具として持ちつつ、背景の生い茂るグリーンや木製の窓枠に合わせて光の綺麗な角度を探しました。ガラスに浮かぶ水蒸気や植物についた水滴は嬉しい誤算で、画面にみずみずしい透明感を添えてくれました。撮影中も呼吸を整え、プロとして素早くキャラクターへ没入できるよう努めました。天気に恵まれなくとも、コスプレイヤーとして写真のクオリティを保つことは何より大切です。
過酷な悪天候の中でも決定的な瞬間をしっかりと切り取り、後処理のカラーグレーディングで薄暗い雨模様を温かみのあるヴィンテージな世界観へと昇華させてくださった撮影・レタッチの@ivory towerさんに心から感謝します。天候や自身の表情管理の甘さゆえに小さな心残りはあったものの、これも貴重な経験の積み重ねです。次回の撮影では事前に表情のコントロールを入念に鍛え、左顔へのこだわりを克服して、より多彩な視点からの表現をお届けできるよう頑張ります。