年が明けてからようやくニェンの撮影を終えることができましたが、さすがに少し引き延ばしすぎてしまいました。本来は年末のうちに撮り終える計画だったものの、スタジオを当たったところどこも満室で予約が取れず、やむなく年明けにスケジュールを再調整することに。ところが年末年始の暴飲暴食がたたり、体重計に乗ったら見事にお正月太り。撮影中はずっと必死にお腹を凹ませ続ける羽目になり、今は「いくら食べても太らない体質改善法」を本気で探し求めています(笑)。
今回の衣装は『アークナイツ』のニェン。この伝統的な中国風コスプレのチャイナドレスはノースリーブ仕立てのため、特に連休太りした後の二の腕には極めて過酷な試練でした。衣装に施された紅龍の刺繍とグリーンのチャイナボタン(盤扣)は非常に上質で、白地とのコントラストが清潔感を引き立ててくれます。原作再現のため、赤い珊瑚風の龍角プロップとピンクのエルフ耳パーツを特注で用意。ウィッグはシルバーグレーをベースに赤いインナーカラーを差し込み、前額部に繊細な編み込みを入れることで、すっきりと凛々しいシルエットに仕上げました。
メイク面ではアイメイクに全力を注ぎました。紫のカラコンにピンク系のアイシャドウを合わせ、下まぶたにしっかりと重めのグラデーションを敷き、ボリューミーなつけまつげを装着することで、カメラの前で鮮烈な目力を演出。リップには濡れたようなツヤ感のあるティントを選定し、満面の笑みでペロッと舌を出すニェンおなじみのアイコニックな仕草を決めた瞬間は、最高にお茶目でキュートなカットになりました。
この衣装を纏うにあたり、ウィッグの毛流れのメンテナンスにも細心の注意を払いました。シルバーの耐熱毛は手入れを怠るとスタジオの強いライティングでパサついて見えてしまうため、事前にストレートアイロンで毛先まで滑らかに熱処理。また中国風の装いでは小道具の調和が極めて重要であり、角やエルフ耳の色彩をチャイナドレスの赤と緑のトーンに美しく共鳴させることで、画面全体のまとまりを意識しました。手首に飾った翡翠風の緑の数珠ブレスレットや赤いリボンなど、控えめな小物たちも腕を掲げたり身を翻したりするたびに画面に瑞々しい躍動感を宿してくれました。
このセットは仲間との合わせ撮影にもうってつけです。写真では同じ陣営のコスプレイヤーさんを巻き込み、お菓子のパッケージを手に互いに食べさせ合う微笑ましいオフショットも収められ、終始笑いの絶えない撮影となりました。スタジオのライティングをわずかに暖色寄りに設定したことで、華やかな中華の祝祭ムードがグッと引き立ちました。ノースリーブの涼やかなシルエットを活かし、あえてストッキングを履かずに素足で臨んだことで、軽やかで透明感のある雰囲気を際立たせています。
レタッチ作業では無理な変形を避けつつ、フェイスラインのたるみを控えめに整える程度に留めました。お正月太りは動かしがたい事実ですので、ここは大人の知恵(現像技術)で救済するしかありません(笑)。今回のドレスはウエストの絞りがかなりタイトな美シルエットのため、同様の中華風チャイナドレスに挑戦される方は、可動域に少し制限があることを考慮して事前に念入りな試着をしておくことを強くおすすめします。
角などの重量パーツを頭に載せての撮影は想像以上に体力を消耗し、油断するとすぐに傾いてしまいます。途中の小休止には素早くパーツを外して首や肩の緊張をほぐすよう心がけました。構図の面でもカメラマンさんと密に連携し、ノースリーブの清涼感を活かせる上半身のミディアムショットやバストアップの特写を中心に構成。ストッキングを合わせると画面が重たくなりがちだったため、潔く素足を選んだことが結果として洗練された抜け感を生み出してくれました。
予定より少し時期は遅れてしまいましたが、「遅れてきたご馳走にハズレなし」と言う通り、心から納得のいく作品を形にできてほっとしています。ロケでもスタジオでも、頭部や耳に大がかりな装飾を施す際は、長時間の着用による負担を考慮して十分な防寒と体力配分を心がけてくださいね。最後に……やっぱり何を食べても太らない奇跡の体質が切実に欲しいです!