屋根に登って撮影したのは、作中設定の漂泊者を意識したからです。このアングルなら背景の雲の奥行きを存分に活かし、キャラクターの孤独で凛とした冷涼感を捉えることができます。今回のショアキーパーの衣装素材は非常に特別で、上半身の半透明な薄布スカートや胸元のシルバーアクセサリーは着用時にしっかり固定する必要がありました。風が吹くと着崩れたり顔を覆ったりしやすいため、撮影中は肩の姿勢維持にかなりの体力を求められました。
屋根でのカットを撮る際、カメラマンの初末さんがいくつかコツを教えてくれました。蝶のエフェクトを視線誘導に使う方法や、脚を少し傾けてプロポーションを伸ばす工夫などです。ハイヒールサンダルと合わせたローアングルの見上げ構図によって、とてもすらりとしたスタイルを表現できました。髪はブルーのグラデーションで、全体の寒色系メイクとクールで凛としたスタイリングに合わせるため、特注の明るい色のカラコンを装着しました。
その後の水面のクローズアップ写真は、日が暮れかけた黄昏時に急いで撮影したものです。ストロボなどの補助光を使わず環境光だけに頼ったため、露出のコントロールが非常に難しかったです。両手を重ねる仕草は、肩の美しいラインを見せつつ、風で乱れやすい青い薄布を整えるためのものでした。
現在のレタッチ進捗はまだ初期段階で、エフェクトの蝶は合成中のところです。全体の色調は深みのあるクールブルーの方向へと調整し、水面の反射のような空気感や息づかいを表現したいと考えています。衣装には細かな装飾が多く、特に透明パーツの部分が撮影中にウィッグの毛先によく引っかかってしまい、何度も位置を直す必要がありました。
瓦に膝を当ててポーズをとってみましたが、安定する支点を見つけるのが難しく、撮影後には太ももが少し赤くなってしまいました。それでもカメラの生データの段階で質感は素晴らしい仕上がりでした。『鳴潮』のショアキーパー コスプレをする際は、スカートのシワに細心の注意が必要です。柔らかな薄布素材なので圧迫は厳禁で、ハンガーに吊るして保管しないと裾のラインが崩れやすくなってしまいます。
ロケ撮影中は天候が目まぐるしく変わり、雲の動きも速かったため、瞳に光が入るベストな瞬間を逃さず捉える必要がありました。屋根の上での構図は、小道具の流線的な美しさと人物のポーズを見事に調和させてくれました。コスプレ撮影は大変でしたが、振り返ればとても楽しいひとときでした。今回の旅行撮影の写真納品にはまだまだ未現像の写真がたくさんあるので、完成を気長にお待ちいただければ幸いです。