今回の写真は寒色系のインダストリアルなキャビンスタジオで撮影したもので、空間の持つ金属の質感と仄暗いライティングが、キャラクター特有の高貴で冷艶な空気感を創り出すのに最適でした。衣装は特注の白シャツに黒のハーネスストラップとミニスカートを合わせたスタイルで、しっかりとしたハリのある生地が研究者らしい端正さと厳格さを漂わせ、黒ストッキングとハイヒールが脚の美しいラインを上品に引き立ててくれました。黒髪の毛先にはダークレッドのインナーカラーを入れ、紫のカラコンを装着することで、瞳に一層の深みと浮世離れした距離感を宿しました。
ライティングでは斜め後方からの輪郭光(リムライト)によって髪の毛の縁の透明感を際立たせ、正面からの柔らかい光で肌と瞳のクリアな質感を確保し、清潔感のある色白肌を美しく表現しました。手にした書類の小道具が物語性を添え、何か重要な記録に目を通しているかのような情景を描き出しています。「あの快い夜のなかへ おとなしく流されてはいけない」という言葉にインスパイアされ、このキャラクターが纏う揺るぎない決意とどこか物悲しい叙情性を表現すべく、笑顔を封印してストイックな集中と抑制を保ちました。
床に座って撮影したカットでは、片手に重心を預け、もう一方の手を無造作に膝に置くことで、あえて物思いに沈むような脱力したポーズをとりました。床に多数の光ファイバーケーブルが走る無骨な散らかり具合が、衣装の端正な美しさをかえって引き立ててくれます。振り返りのアングルも入念にポージングを練り、顔の筋肉の緊張感をコントロールしながら瞳の透明感を保ちました。撮影中最も気を配ったのはウィッグの前髪と毛流れで、キャビン内の風で乱れやすかったため、フィルムカメラのシャッターのリズムに合わせて調整を重ねました。全体のスタイリングは非常にクールでエッジが効いており、日常とはかけ離れた静謐さと、プリーステスならではの神秘性と予知性を画面を通して伝えられるよう努めました。『アークナイツ』の一ファンとして、今回のプリーステス コスプレに挑戦できたことはとても新鮮な体験であり、インダストリアル写真における様々なライティング技術を試すことができ、多くの学びを得られました。撮影後に撮って出しのデータを確認した際、寒色トーンとダークな世界観の美しい調和に大きな手応えを感じました。