2024年9月に日枝神社で撮影した、フルスクリーン神写真チャレンジの作品です。今回の撮影では、高山・日枝神社の天を突くような古木が茂る環境を活かし、赤と白の衣装の色彩を引き立てることを主眼に置きました。観光客が多いため、人混みを避ける目的も兼ねてあえて明暗差が極端に大きい時間帯を選択。GFX100 IIにGF45-100mmレンズを組み合わせ、中判ならではの豊かな階調再現性を存分に発揮しました。暗部をぐっと引き締めた後も、紅葉の葉脈や神社の石造建築の重厚な質感が繊細なディテールとしてしっかりと残っています。当時のロケーションは実際にはかなり暗く、ヘッドライトや懐中電灯を使って被写体に光を当てるライティングでしたが、それが神社ならではの厳かな雰囲気と調和し、衣装に強烈な視覚的インパクトを与えてくれました。キャラクター本来のクラシカルな配色がダークトーンの背景に浮かび上がり、まるで幻想郷の静謐で幽玄な結界へ足を踏み入れたかのような世界観を演出してくれます。
しかし、伸びやかな所作の表現は撮影・レタッチ双方において要求が高く、その場でターンする際も重心をしっかりキープする必要がありました。フルスクリーン壁紙としてのレイアウトを意識し、構図には意図的に広大な暗部スペースを残し、人物を画面の左3分の1あたりに配置することで、画面全体に心地よい呼吸感を持たせました。コントラストの調整には苦心しましたが、完成写真における紅葉とハイコントラストな環境がもたらす物語性は非常に理想的な仕上がりに。これこそが二次元撮影ならではの独特の質感であり、歴史と文化が息づく建築空間に極めて美しくマッチします。伝統的な日本建築の要素と見事に調和し、この光比を通じて東方Projectならではの神秘的で凛とした気品を再現することを目指しました。地面にしゃがみ込んでアングルを探し続ける過酷な撮影でしたが、スタッフの尽力にも心から感謝し、期待通りの完成度に仕上がった充実の撮影となりました。