今回の「流浪」をテーマにしたコスプレ撮影を行う際、最大の挑戦はやはり遠近法(トリック撮影)と光和影がもたらす錯視をコントロールすることでした。完成した写真を見た多くの友人から「ずいぶん大胆なポーズだね」と言われますが、実際には大量のカメラアングルや小道具の遮蔽を利用して「接触しているように见せる」トリック効果を実現しています。これは画像に貼られた審査用注意書きからも分かる通り、画面内の空気感やストーリー性を大切にするため、私たちは立ち位置を7、8回も微調整しました。実際に体が触れ合うことはなく、視覚的なズレだけでほろ酔いかつ対峙する緊張感を表現したのです。
ロケーションには和風撮影にぴったりな畳の部屋を選び、紙灯籠の温かみのある黄色い光と、こちら側の寒色系の小道具の光をミックスさせることで、夕暮れと夜が交錯するような質感を演出しました。小道具チームが非常にこだわってくれて、日本酒の瓶、小さな陶器のお猪口、面取りされた赤白の和菓子の皿など、すべて設定にある生活感を再現してくれました。特にあの赤い和傘は、前景の構図として取り入れることで画面の端を効果的に暗く落とし、見る人の視線をキャラクターの顔の繊細な表情に集中させることができました。
衣装に関しては、黒のレザーグローブや金属製のリングアクセサリーの質感がフラッシュの光にとても映えましたが、ウィッグと頭飾りの固定にはかなり苦労しました。床に這いつくばったり、仰向けに寝そべったりするローアングルのカットが多かったため、髪の毛がすぐに潰れて乱れてしまい、2ポーズ撮影するたびにセットを直さなければなりませんでした。カメラマンの先生は終始床にへばりついて低いアングルを探し、アオリ撮影で脚のラインを長く見せつつ、机の高低差を利用して二人の高低が入り交じるレイヤー感を作り出してくれました。これこそが、「流浪」という二人の関係性を、親密でありながらもどこか疎遠に見せるための鍵でした。
後期の写真編集(レタッチ)では、肌のほのかなツヤ感や灯籠の白飛びしかけたエッジをあえて残し、過度な肌補正は行いませんでした。キャラクター自身の「人形」という設定や原神の世界観を考えると、どこか鋭く、非現実的な冷たさを持たせるべきだからです。この作品はデザインから完成に至るまで、前後に3つの異なるライティングプランを試し、最終的にこのブルーとイエローのコントラストを効かせた色調に落ち着きました。キャラクターたちの間に漂う、酒気を帯びた探り合いや感情の揺らめきを再現できていれば嬉しいです。
撮影が終わった後は膝が青あざになるほどでしたが、完成した写真の中で重なり合うお猪口や衣装の裾の瞬間を目にすると、やはり挑戦して良かったと感じます。コスプレをしていて一番楽しいのは、レンズを通じて静止したキャラクターに動的な感情を吹き込めることです。完全に再現できているかどうかは、見てくださる皆さんの評価にお任せします。