黒・白・金の3色が織りなすフリル付きのメイド服を着用し、ルビーがあしらわれたチョーカーと白のシルクグローブを合わせることで、室内の温かみのある光と影の中に非常に洗練されたレトロな質感を表現しました。キャラクターの神髄に近づけるため、今回のメイク・スタイリングではあえてアイスブルーのカラコンと、暖かみのあるゴールドのストレートロングウィッグを選びました。アイメイクを柔らかく仕上げることに重点を置き、かすかな陰影の補正を加えることで、テイワットの世界ならではの上品さと落ち着きを再現しようと試みました。
撮影のロケーションは、大好きな室内ガーデン風のスタジオです。白とブルーを基調とした大量の生花、絡み合う緑のツタ、正式には絶妙に配置されたヴィンテージ加工の額縁を散りばめ、床には精装されたレトロな古書や灯されたキャンドルを積み上げました。私自身、リアルな小道具を使って触れ合う撮影がとても好きで、例えばこの小花柄の白磁のティーカップやレトロな灯油ランプといったアイテムは、空間の空気を一気に具象化し、ストーリー性をもたらしてくれます。コスプレ撮影では柔らかい拡散光源を採用したため、ウィッグのシルキーな毛流れやスカートの裾にある黒金のラインのシワが、ソフトで美しいグラデーションとなって映し出されました。
実のところ、今回の撮影は単に衣装の美しさを見せるだけでなく、没入感のある「感情」を表現したいという思いがありました。投稿文にもあるように、茶会の賑わいはいつか必ず収まり、人々は時の流れの中で一人、また一人と去っていきます。ティーカップを持ち上げたその瞬間、私もキャラクターが持つ静けさや淡々とした佇まい、正式にはその奥にある一抹の切なさを捉えようとしました。『原神』という広大なテイワットの世界において、キャラクターの魅力は往々にして彼女たちが抱えるストーリーや感情から生まれます。私にとって、コスプレとは単に衣装を着てウィッグをつけることではなく、特定のシチュエーションにおけるそのキャラクターの心境を感じ取り、解釈することなのです。
今回は衣装のディテールの再現にもかなりの時間を費やしました。袖口に何層も重ねられたオレンジと黒のフリルや、スカートの裾にあしらわれた黒・金・赤の精巧な紋様など、極限まで緻密な再現にこだわりました。スタジオ撮影は空間的な制限こそあるものの、的確な撮影アングルを見つけ、小道具の配置や視線のコントロールをしっかりと噛み合わせれば、絵画のように重厚なレトロポートレート作品を仕上げることができます。この感情をレンズの中に閉じ込め、外部に邪魔されない静寂のひとときを記録することこそが、この写真集の最大の意義なのです。