今回のBW 2026での『鳴潮』リンネ屋外ロケ撮影は、頭の中でずっと温めていた躍動感あふれる世界観を完璧に形にすることができました。会場外の最高の自然光を捉えるため、カメラマンの@吞樹苺 氏とともに午後3時過ぎには広大なガラスカーテンウォールが広がるエリアを確保しました。この衣装は黒のサスペンダーに施されたシルバーのリベット、ウエストのメタルチェーン、そして光沢を帯びたスカートの多層フリルなどディテールが満載で、激しい動きで着崩れしやすいため、テイクごとに数分かけて裾やベルトの位置を入念に整え直しました。ウィッグも同様に、毛先のミントグリーングラデーションと頭頂部の淡いゴールデングリーンのふんわり感を常にキープし、紫のカラーコンタクトと合わせることで時間をかけて丁寧にキャラクターを作り込みました。仕上がった写真を目にした瞬間、その苦労がすべて報われたと感じています。
手にした青緑と白のツートンカラーの銃プロップはずっしりとした手応えがあり、銃を振り抜く所作や片手での照準、頭上へ掲げるアクションを決める際には、手首にしっかり力を込めてブレを抑える必要がありました。今回の機材構成にはソニーα7 Vと35-150mmズームレンズを採用。この組み合わせはイベント屋外でのスナップ撮影において抜群の信頼感を発揮してくれました。35-150mmの焦点域は極めて実用的で、全身の動的なアクションを捉える際には空間を心地よく圧縮し、背景のガラス窓や広場の敷石をすっきりとボカしながら、髪の毛一本一本や衣装のドレープの緻密なディテールを鮮明に描き出してくれます。カメラの追従AFに合わせ、厚底チャンキーヒールを履きながら広場を駆け抜け、片足で跳び、片膝を突いたりと過酷な動きを繰り返しました。ヒールが高く地面も硬い中で体力を激しく消耗しましたが、スカートがふわりとなびき髪が風に舞う最も自然な瞬間を切り取るためなら、どれも必要なプロセスでした。
リンネらしさを引き出すため、ポージングには攻撃的な鋭さと優雅さが共存するニュアンスを取り入れました。振り返りざまの鋭い視線のフォーカスや、片足を上げた際のレッグストラップの張り感などがその一例です。黒ストッキングとレッグリングが自然光を受けて見せる繊細な光沢が、厚底シューズと相まってすらりとした脚の美しさを際立たせてくれます。撮影中は重心移動に細心の注意を払い、大胆な動きによる露出や衣装の乱れを防ぎながら、カメラの前で余裕のある佇まいを保ち続けました。イベント会場は終始賑やかでしたが、広場の一角で自分たちの呼吸に集中し、視線の配り方や引き金を引く指先の角度まで徹底的に突き詰めました。
撮影を終える頃には夕暮れを迎え、柔らかな光の中で黒のドレスと緑の髪のコンビネーションが寒色系の近代建築を背景に鮮烈なコントラストを描き出しました。試着やプロップの調整から、カメラマンとのリズムのすり合わせに至るまで、すべてのカットは試行錯誤の結晶です。このBWの舞台でリンネの凛々しい姿を余すところなく表現できたことは、私自身にとってこの上なく満ち足りた創作体験となりました。