「29度の広州でダウンを着る」なんて聞いたら以前の私なら冗談だと思ったはずですが、今回は天選姫を完全再現するため、覚悟を決めて分厚いピンクのアウターを羽織りました。会場に着く前から汗だくになりなかなかの過酷さでしたが、愛するキャラクターを再現するためならこの程度の暑さは苦になりません。
スタイリングの準備には相当な工夫を凝らしました。白いウィッグはぱっつん前髪に整えた後、両サイドを三つ編みに編み込み、シアンの紐を毛束に丁寧に巻き込んで立体感をプラス。目元は発色の良いブルーのカラコンに合わせ、イベント会場の複雑な照明や遠目からの撮影に負けないようアイシャドウとアイラインを濃いめに仕上げました。頬に描いた青い涙のマークは専用のアイライナーで慎重に描き込み、少しでも角度がズレたら描き直す徹底ぶりで完成度を高めています。
現場では2パターンの写真を撮影しました。1着目のオレンジのパーカーは鮮やかで元気いっぱいでしたが、背景の人の写り込みが多くカバー選定は見送りに。2着目のピンクと黒の切り替えダウンジャケットは、襟元を開けてチョーカーとデコルテを見せることで着膨れ感を抑えて抜け感を演出しました。自撮りの構図を中央に据えることで青い瞳と頬のペイントに自然と視線が集まり、目力もしっかり出せたため、こちらをメイン写真に採用しました。
熱気あふれる広州ホタルアニメゲーム博覧会の会場で、ダウンに身を包んで歩き回った経験は忘れられないものになりました。冷房の効いたホール内でも汗が首筋を伝いましたが、人混みを縫って歩く瞬間はまるで自分が二次元の世界から飛び出してきたかのような高揚感に包まれました。こまめなメイク直しを挟みつつ、大好きなキャラを現実に降臨させて納得のいく写真が撮れた瞬間、すべての苦労が吹き飛びました。これこそがコスプレの醍醐味です。ホテルに戻ってウィッグと衣装を脱ぎ去ったときの解放感とともに、最高のイベント遠征を締めくくりました。