中山アニメ展AS29で『鳴潮』のシグリカコスプレを撮影した際は、衣装とポージングの微調整に全力を注ぎました。紫のストラップサンダルとレッグリングは装着の難易度が高く、何度も締め具合を調整しないと、動きが大きくなった際に全体の美しさを損ねてしまいます。
撮影時は脚の美しいラインを崩さないよう、多彩なポーズを何度も試行錯誤しました。黒い折りたたみ椅子に腰掛けて脚を組んだり、白いラグの上で脚をまっすぐ伸ばしたりと、太ももの筋肉のキープ力が試されましたが、この衣装の抜群のスタイルを最も美しく引き立てるポイントでもありました。ポージングにおいて脚を持ち上げる瞬間は、スカートが乱れないよう指先でサイドの布地をそっと押さえました。また、しゃがむ際も太ももの内側がストラップで食い込まないよう、脚を外側へスラリと伸ばすことで不自然な圧迫感を避けるよう意識しました。
会場内は混雑し背景に通行人が多かったため、構図を工夫して比較的開けた一角をロケーションに選びました。カメラマンのNightDivaさんは寒色系の環境光とメインストロボを巧みに組み合わせ、背景を落として被写体を際立たせることで、重厚な質感と強い視覚的インパクトを生み出してくれました。白い機械の義眼ドール風の小道具は意外と重く、浮いてしまわないよう、手で抱えたり頭上に掲げたり膝元に置いたりと様々な見せ方を試しました。
撮影は何時間にも及び、ヒールサンダルと脚の装具の影響で足裏やふくらはぎにかなりの疲労が溜まりましたが、周囲の椅子や機材ケースを支えにして適宜リフレッシュしました。立ち姿の撮影では床面の反射光を活かして肌の透明感を引き上げつつ、紫の生地特有の反射に注意し、アングルを微調整して大きなハレーションを防ぎました。
来場者が非常に多いイベント撮影のため、撮影データへの通行人の映り込みは避けられませんでしたが、写真編集(レタッチ)で綺麗に整えてクリーンな画面に仕上げました。当日は蒸し暑く衣装を着て汗もたくさんかきましたが、涼やかなブルーの背景の中で美しいシルエットを表現でき、苦労が報われたと実感しました。
衣装にあしらわれた白いフリンジ、紫のスカートのドレープ、そしてロングレッグブーツのディテールを余すところなく捉えることができ、特に座りポーズでのレッグリングの魅せ方にはこだわりました。現場のライティングに合わせてカメラ位置を何度も調整し、小さな椅子や白ラグを小道具として視線誘導を設計したことで、キャラクター本来の上質な世界観を見事に表現できました。
最後に、今回のイベント撮影はスケジュールが非常にタイトで、午後の混雑ピークを避けるため朝一番に会場入りして設営を行いました。幸いにもレフ板やソフトボックスなどの照明機材が充実しており、顔元に柔らかで自然な光を回すことができました。衣装は軽やかな生地感ながら装飾品が多く、歩行時に裾を踏んでしまわないよう注意を払いました。試行錯誤を重ねて選んだ写真はシンプルな構図のものが多く、カメラマンさんの卓越したパースペクティブ(遠近感)のコントロールのおかげで、雑多なロケーションをすっきりと洗練された空間へと昇華させてくれました。
もう一つ難易度が高かったのはハイスツールに脚を組んで座るポーズで、座面が狭いため体幹を引き締めフットレストをしっかり踏み込まないと滑り落ちそうになり、撮影中も脚のラインが崩れていないか常に神経を使いました。撮影前のヘアメイクも約2時間を費やし、特にウィッグの固定や髪飾りの位置調整に手間取りましたが、仕上がりにはとても満足しています。一つひとつの所作を丁寧に作り込み、無理のない自然体で臨めた充実感あふれる二次元のコスプレ撮影となりました。