アニメイベント会場での撮影を終えたばかりの熱気冷めやらぬうちに、『オナー・オブ・キングス』瑶(Yao)のコスプレ制作と撮影のプロセスを記録しておきます。
まずはウィッグとメイクについて。今回のピンクのウィッグは特注で用意したもので、ふっくらとした立体感のある2本の三つ編みおさげを作るため、内部に毛束のアンコ(ふかし)を仕込みました。編み目が不揃いになると雑な印象を与えてしまうため、均等なテンションで丁寧に編み上げています。メイク面では紫がかったピンクのカラコンをベースに、アイメイクには赤みを帯びたグラデーションを採用。顔にあしらわれた赤い文様と鼻筋のそばかすが最大のポイントであり、極細ブラシを使って手描きで少しずつ仕上げるのに40分近くを費やしました。眉も全体的なピンクのトーンに合わせてワントーン明るく脱色風に仕上げています。
衣装のディテールは非常に多彩です。トップスは白い布地とブラウンのレザーの切り替えで構成され、襟元にはボリューミーなファーの襟巻きを配置。野性的なエッセンスを際立たせてくれる一方、熱気あふれるイベント会場内ではなかなかの暑さとの戦いになりました。胸元中央に配された六角形の金属パーツが視線を集めるセンターピースとなり、周囲には赤い飾り紐の結び目とブルーのビーズを編み込みました。連動感を出すため、腰元にも同様の飾り結びと淡いブルーの羽根を垂らしています。ボトムスのブラウンスカートは裾をアシンメトリーにカットし、ウエストラインを覗かせる軽快なシルエットに。
装飾品に関しては、手首にブラウンのファブリックリストバンドとターコイズブルーのバングルを重ね付けし、ネイルはブラックに塗って金属リングを合わせました。足元のもふもふなファーレッグウォーマーはキャラクター再現に欠かせない最重要パーツであると同時に、最大の重量負担でもありました。毛並みが非常に分厚く、ストラップでしっかり締め付けると歩行時にかなりの重さを感じます。合わせた黒の厚底シューズはスタイルアップに貢献してくれる反面、重心のバランスを取るのに神経を使いました。
撮影ロケーションには比較的人通りの少ないホールの片隅を選び、フロアタイルの美しい反射を構図に活用。1枚目のカットでは立ち姿でピースサインを作り、無邪気で茶目っ気のある表情を演出しました。2枚目は座りポーズを選定し、下半身のスタイリングともふもふレッグウォーマーの質感を余すところなく描写。床に手をついて身体を支える姿勢は地味に筋力を要しましたが、カメラマンさんがベストな瞬間を的確に捉えてくださり、素晴らしい仕上がりとなりました。
全体として高い再現度を達成できたものの、着装時の体力消耗は想像以上でした。次回またこのキャラクターを出す機会があれば、レッグウォーマーの内側に滑り止めを仕込むなど固定方法を改良し、より軽量なシューズを選びたいと思います。会場では多くの同好の方々とツーショットを撮ったり衣装の制作秘話を語り合えたりと、心から充実したアニメイベントとなりました。