RED(小紅書)の情報に騙されて桜の撮影に出かけたものの、現地に着いたら見頃の時期が完全にズレており、木には一輪の花も咲いていませんでした。しかし衣装も装備も完璧に整えていたため無駄足にはしたくなく、公園の石垣と芝生のそばでこのシリーズを撮影することにしました。今回挑戦したのは崩壊 3rdの八重桜コスプレです。まずは衣装についてですが、白の透かし彫りインナーに黒のハイネックを合わせ、胸元の金色の蔦模様やウエストの装飾など、着付けの際は体に綺麗に沿わせるための微調整にかなり苦労しました。首元の金の蛇チョーカーは重厚感と上質な質感がありましたが、少し重みがありました。瞳には設定通り紫のカラコンを選び、光の下で深みのある眼差しを演出。頭のピンクのウィッグと獣耳は、ふんわりとした毛束感と綺麗なレイヤーを出すために半日かけてセットしました。程よい無造作感を残しつつ崩れないようにキープするのは、二次元キャラクターの再現においてまさに職人技でした。
撮影では2枚の写真でそれぞれ異なるシチュエーションを試しました。1枚目は強い逆光の中での顔のドアップで、太陽光が髪の毛を透過して虹色の光の輪を生み出し、大画面で確認した際にもその瞬間の空気感がとても印象的でした。2枚目は黒と金の木刀を口にくわえたカットです。実は刀を長く構え続けて手首が疲れてしまったため、いっそのこと口にくわえてアップで撮ろうと機転を利かせました。春先は寒暖差が激しく、屋外撮影で長くポーズをとっていると肌寒さを感じましたが、より良いクオリティを追求するために粘って何枚も撮り続けました。
今回は至近距離のカットだったため、メイクは赤みのあるアイシャドウに切れ長のアイラインを合わせ、鮮やかな赤リップを塗って濃いめに仕上げました。ライティングでは輪郭光(エッジライト)を強調し、ピンクの髪や獣耳の透明感を引き立てつつ、衣装の白地と黒襟のコントラストをくっきりと際立たせました。背景に期待していた一面の桜並木はありませんでしたが、風景がシンプルだったからこそ、被写体自身の色彩がより一層引き立つ結果となりました。
撮影は終始リラックスして進み、過剰に作り込んだポーズをとるのではなく、レンズを見つめながらキャラクターの性格や表情のニュアンスを素直に表現することを大切にしました。これらの写真の構図は、洗練されたメイク、忠実に再現された衣装のディテール、そして少し誇り高く茶目っ気のある眼差しを際立たせることを主眼に置いています。また、この衣装は肩や腕の可動域が広く、刀を構えたり1枚目のように少し前屈みになったりしても、生地が引きつれて不自然なシワができる心配がありませんでした。次回こそは満開の時期に合わせて、この衣装を着て本物の桜の木の下でリベンジしたいです。自然の桜に包まれればさらに素晴らしい作品になるはずです。とはいえ、道端の緑や石壁を活用した今回の落ち着いた風合いも、キャラクターの持つ清廉な魅力と見事にマッチしていました。最後に衣装のお手入れについて少しアドバイスを。白い衣装は汚れやすいため飲食時には細心の注意が必要ですが、二次元の完成度を高めるためならその苦労も十分に報われます。