今回の『アズールレーン』逸仙(イーシェン)の撮影では、趣の異なる2パターンの衣装を用意しました。1着目は軽やかで幻想的な白のチュールドレスに、透け感のある薄手の羽織りを重ね、胸元に青い細リボンをあしらったスタイル。足元には白ストッキング(オーバーニーソックス)と白のハイヒールを合わせ、視覚的に脚のラインをすらりと長く見せました。撮影小道具には白い油紙傘を取り入れ、傘を差して佇む姿も、回廊の縁に腰掛けてそよ風にドレスの裾を揺らす姿も、息をのむほど美しい絵になりました。
2着目は緑と白のバイカラーロングドレスです。トップスはスタンドカラーとオープンショルダーを取り入れた緑のホルターネック仕立てで、胸元に黒いリボンを添え、ウエストを緑の細紐でキュッとシェイプ。ボトムスの白スカートには大胆なハイスリットが施されており、歩行時に自然と脚の美しいラインが覗きます。足元には緑のヒールを合わせ、髪飾りも緑と白の花モチーフに揺れるタッセルを配したものへチェンジ。キャラクターの日常の落ち着いた風情を引き出すため、景石の上に中国茶器をセットし、お茶を注ぎ茶杯を掲げる優雅な所作によって、端正で上品な佇まいを際立たせました。
ロケ地には築山、池、円形門(月亮門)が美しく配置された中国古典庭園を選定。木漏れ日が衣装の上に柔らかく落ち、光と影のグラデーションが非常に滑らかに溶け合いました。古風ならではの情緒を表現するため、扇子の持ち方や視線の落としどころ、岩に腰掛けた際の脚の重ね方など、衣装の美しい裁断を魅せつつ自然体に見える角度を丹念に追求。屋外での撮影は体力の消耗が激しく、特に白ストッキングにハイヒールを履いて長時間歩き回るのは足への負担も大きかったですが、仕上がった写真の流麗なレッグラインとスカートの優美なドレープを目にし、すべての苦労が報われたと感じました。
ヘアメイクは透明感のあるナチュラルさを重視し、黒髪のロングストレートにぱっつん前髪、揺れる花の歩揺(かんざし)を添えて、清楚で温雅な雰囲気を演出しました。逸仙というキャラクターは古典的な優美さを纏っているため、表情は穏やかな微笑みやわずかに伏し目がちな仕草を意識し、過度な動きは控えめに抑えました。同じ色調でありながら、小道具やシチュエーションを変えることで、一方は仙女のような浮世離れした透明感を、もう一方は淑やかで落ち着きある気品を放ち、対照的な世界観を描き分けることができました。撮影中はカメラマンさんとドレスのドレープの広がり方について絶えず確認し合い、ベストな瞬間を捉えるよう徹底。事前のアイロン掛けから現地での実景撮影に至るまで、思い描いていた理想の姿を形にすることができました。