今回の『鳴潮』ユーノのコスプレ撮影は永慶坊を舞台に選び、仙人のような浮世離れした美しさと、街並みの温かみが共存する空気感を追求しました。キャラクター設定に寄り添うため、漢服をベースに様々な独自アレンジを加えています。主役となる白の広袖ロングドレスの上に、透け感のある軽やかな青藍のオーガンジー羽織を重ね、さらに鮮やかな黄色の披帛(ひはく)を添えることで、歩くたびに鮮烈なコントラストと優美なドレープが生まれるようにしました。胸元のゴールドのハート型透かし彫りや首元のパールゴールドの装飾など、細部まで彼女の華麗な質感を忠実に再現しています。ウィッグは鮮やかなブルーのロングストレートを選び、頭頂部の両サイドに小さなお団子を結い上げ、白い花とゴールドのタッセルかんざしをあしらいました。メイクは透明感のある寒色系のベースに青緑のカラコンを合わせ、目尻に淡いピンクパープルをぼかすことで、より凛とした澄んだ眼差しに仕上げています。
撮影地に選んだ永慶坊は、伝統的な嶺南建築の風情と端正な庭園美を兼ね備えた場所です。理想の絵作りを実現するため、セットには無数のピンクの桜や紅葉を贅沢に配し、巨大な満月ライトを背負わせることで、現実を超越した仙侠ファンタジーの空間を演出しました。小道具も充実させ、青い扇面の団扇、毛筆、和綴じの古書、茶器、そして背後の古琴を用意しました。団扇で口元を覆ったり、古琴の前で爪弾く仕草をしたりすることで、自然とキャラクターの心情に没入することができました。ユーノは奥深い魅力を持つキャラクターだからこそ、単なる無表情ではなく、上体をわずかに反らせたり指先で胸元を軽く押さえたりと、人を寄せ付けない冷たさの中に微かな探究心を滲ませる表情作りにこだわりました。『鳴潮』独自のアートスタイルと伝統的な漢服の融合は大胆な試みでしたが、自然光とストロボが織りなす光影の中で、色彩の衝突が見事な重厚感を生み出してくれました。
幾重にも重なる漢服を着ての撮影は、体力と忍耐力の勝負でした。特に広袖は大ぶりなため、少し動くだけで視界を遮ったり顔にかかったりしてしまいます。座りポーズではドレスの広がりと脚のラインを美しく見せるため、木製チェアに横座りし、片膝を引き寄せるポージングに挑戦しました。足首に巻いた黒いビーズのアンクレットが密かなポイントで、裸足で椅子の縁を踏みしめる姿が古典的な佇まいの中に絶妙なアクセントを加えています。湯呑みを掲げてレンズを見つめるカットでは、光を受けた顔立ちが硬くならないよう、柔らかく深みのある視線を意識しました。風に袖を靡かせる瞬間が最も難関で、自然に翻る躍動感を捉えるため何度も袖を振り直しました。また、毛筆を手にして読書に耽るカットも、手首の角度を保ちつつ視線を頁に落とし、美しい横顔のラインをキープする必要があり、首回りにかなりの集中力を要しました。
永慶坊の木製格子窓や白壁瓦屋根の質感は、写真に確かなリアリティを与え、キャラクターの持つ幻想性と美しく響き合ってくれました。レタッチにおいても、肌本来のキメや衣服のシワをあえて適度に残すことで、二次元の夢幻的な美しさと三次元の実在感を高い次元で両立させました。ロケハンからヘアメイクまで1週間以上を費やし、衣装の装飾一つひとつを手作業でスタイリングしました。撮影当日は寒空の下で素足になり体力的にも過酷でしたが、カメラのモニターに宿る凛とした神秘的な世界観を見たとき、すべての疲労が心地よい達成感へと変わりました。