今回のICOSアニメイベントのイベント写真がようやくまとまり、一番お気に入りのカットを真っ先にお届けします。月城柳というキャラクターに強く惹かれたのは、あの冷静でありながら優雅さを失わない洗練された佇まいでした。今回のメイクでは眉山をあえて低めに描き、アイラインを長めに伸ばし、丸メガネと合わせることで「普段は優しそうに見えても、いざ戦うと容赦ない」というギャップの演出を狙いました。ウィッグは淡いピンク色の特注耐熱ファイバーで、毛先は三つ編みにしています。あの青いタッセルの髪飾りを再現するため、3つの異なるパーツを自ら組み合わせており、動きに合わせて揺れる様子は3枚目や6枚目の写真でも綺麗に捉えられています。
衣装のコーディネートもかなりこだわりが詰まっています。白シャツはシワになりにくいハリのある生地を選び、リボンの締め具合もうつむいたときに視界を遮らないよう何度も調整しました。肩アーマーと背中の青い布リボンはテーラーに特注し、端に硬質芯を入れてもらったことで、大きく体を動かしても綺麗なシルエットをキープできます。ベルトやレッグリングなどのディテールも妥協せず、すべて本物のメタルバックルを使用しているため、重量こそ増しましたが質感が格段に向上しました。一番過酷だったのは手にしている大剣で、全長約1.4メートルとかなりの重量があります。キャラクターの持つ力強い剣戟の雰囲気を模すため、撮影中は終始片手でグリップを握りしめ、半身やしゃがみポーズのときは体幹に力を込めて重心を安定させました。1枚目の片膝をつくポーズでは、実は太ももがすでにプルプル震えていましたが、カメラのシャッター音の裏で何秒も必死に耐え抜きました。
今回の撮影ロケーションは会場のライティングエリアを選びました。天井照明が非常に強いため、カメラマンさんが大型のソフトボックスを2基用意して背景のトーンを落としつつ、顔周りとストッキングコスプレの質感を美しく照らし出してくれました。そのストッキングですが、今回は微透けの肉色着圧タイプを選びました。フラッシュ光を浴びると自然なソフトフォーカス反射が生まれ、黒いエナメルハイヒールと相まって全体の脚のラインをすっきりと長く見せてくれます。こうした細いヒールでしゃがみ込んだり大股で踏み出したりするのは勇気が要ります。特に5枚目の前方に踏み込むアクションでは、足の甲を完全にピンと張り、すべての重心を片足に預けているため、撮影が終わった頃にはつま先が完全に麻痺していました。それでも、クールで安定感のある戦闘ポーズを再現するためなら、どんなに疲れてもそれだけの価値があります。
イベント会場は人の往来が激しく、背景に通行人やレフ板がどうしても映り込んでしまうため、カメラマンさんと何度も周囲のクリアランスを確認し、比較的すっきりとしたフレームを辛うじて捉えました。2枚目は靴の先端から地面へと続く伸びやかなラインを強調するため、あえてリクエストして撮影してもらった脚のクローズアップで、大剣の影と相まって非常に強い視覚的緊張感を生み出しています。4枚目の身をかがめて剣を構えるダイナミックな動きは、実は「突撃準備」のフェイクアクションを行っている最中のもので、剣先を前方に向けて鋭い眼光を放っていますが、撮影が終わった瞬間にすぐに役を解いて笑い出してしまいました。
小道具の面でも、この剣には見どころがたくさんあります。柄のリング模様や白黒のストライプステッカーはすべて手作業で貼り付け、色褪せを防ぐために外側にマットフィルムをコーティングしました。持ち手部分が少し滑りやすく、振る際に手からすっぽ抜けやすいという難点がありましたが、何度か練習を重ねるうちに力の入れどころを見つけることができました。6枚目のスタンド姿勢で片手でメガネを押し上げるカットは、カメラマンさんがパラメータを調整している最中の不意のオフショットですが、あらかじめポーズを作ったものよりもはるかに自然な仕上がりになっており、個人的にこういうリラックスした空気感がとても気に入っています。
今回の写真は過度なレタッチをせず、リアルな肌の質感や衣装のシワをそのまま残しています。イベント写真には、イベント写真ならではの生々しい臨場感が宿るべきだと考えているからです。アニメイベントの醍醐味は、こうした現場ならではの熱気の中で、キャラクターと自分が深くシンクロする瞬間を味わうことにあります。ウィッグのカットから小道具の組み立てまでほぼすべて自作し、約1か月かけて準備を重ねたこの衣装。苦労の連続でしたが、完成した写真を目にした瞬間にすべての苦労が最高の達成感へと変わりました。今回の返図は不自然なポーズをあえて避け、自然な立ち姿や動作を記録することで、キャラクター本来の冷静で落ち着いた雰囲気に寄り添いました。最後に、素敵な瞬間を捉えてくれたカメラマンさんと、現場で照明を支えてくれた仲間に心から感謝します。おかげで最高の状態のイベント写真を残すことができました。