年の瀬のわずかな合間を縫って、海灯祭の季節に合わせた申鶴の撮影をようやく実現できました。ロケ地には景勝地の入口を選びましたが、人通りが予想を遥かに超えており、背景に人が入らない瞬間を狙って提灯が連なる回廊の下で何度も位置やタイミングを調整しました。
まずはメイクとウィッグについて。ウィッグはレイヤーを入れて整え、生え際の馴染みにも細心の注意を払った上で、銀のかんざしと赤い房飾りをあしらい鮮烈なコントラストを作りました。アイメイクは目元をすっきりと切れ長に強調し、淡いブルーのカラコンと控えめなリップカラーを合わせることで、世俗を離れた冷涼で静かな佇まいを追求しています。衣装の構造は非常に複雑で、黒のハイネックインナーの上に白と水色の布地が重なり、細やかな金糸の刺繍や赤い花柄、腰や脚にあしらわれた金色の縁取りが際立ちます。袖のズレを防ぐため手首に黒いリボンを巻き、白いファー仕様の袖飾りには赤い房と金のチャームを配置しました。脚には透け感のある黒ストッキングを着用し、太もも外側には赤い房飾りと白い毛玉の装飾ベルトを装着。歩行やポージングのたびに位置が乱れないよう細かく直しながら進めました。
撮影中、紅梅の枝を持つ手首の角度を綺麗に保ち続けるのは骨が折れ、ヒールを履いたままの中腰や欄干に預ける姿勢は体力と体幹が試されました。1枚目の浮遊する発光呪符や氷晶エフェクト、背後の半透明の霊体は、後処理で合成したものです。躍動感あふれる仙術の演出を収めるため、現場で何度も跳躍や印を結ぶ動作を繰り返し、レタッチ担当の方も青い光の軌跡やエフェクトの階調を極めて緻密に仕上げてくれました。
今回は異なる雰囲気を捉えた4つのシチュエーションを収録しています。階段に腰掛けて脚を組んだ3枚目は衣装の裾の重なりや脚のラインを美しく見せ、欄干に身を寄せた4枚目では物憂げな風雪の情緒を込めました。年越し間近の屋外は非常に冷え込み、ワンテイク終わるごとにダウンジャケットにくるまって暖を取りました。厳しい寒さの中での撮影でしたが、海灯祭の幻想的な空気感の中で、申鶴の凛とした気品と衣装の細やかな質感を描き切ることができ、すべての苦労が報われました。混雑の中、隙を見つけながら撮影を支えてくれたカメラマンとサポートメンバーに感謝します。海灯祭前夜の灯火と静寂が溶け合う独特の空気感を、写真から感じ取っていただけたら幸いです。