今回のテーマは『オナー・オブ・キングス』の大喬で、衣装には戦国袍(漢服)スタイルを選びました。この衣装を初めて手にした時から、デザイン全体が古典的要素に敬意を払っていることを実感できました。外側はオレンジがかった赤と淡いピンクを切り替えた大きな袖の広袖長袍で、縁には青と白の幾何学模様が施されており、内側には白い交領の襦(インナー)を合わせ、帯でウエストをきゅっと引き締めています。生地全体が柔らかく、歩くたびにスカートの裾や袖に美しい落ち感(ドレープ感)が生まれますが、重ね着の枚数が多いため、屋外撮影ではかなりの暑さを感じました。
ウィッグは太めの2本のおさげ三つ編みにして胸元に垂らし、前髪は眉のラインで切り揃えました。メイクは過度な派手さを追わず、アイメイクで目元を横に長めに強調し、大喬の瞳の色に近づけるために青いカラコンを合わせました。髪にはオレンジ赤系の花飾りを添え、衣装の色合いと美しく呼応させています。小道具には水墨の書画があしらわれた白い紙傘を用意しました。傘骨は竹製で、柄には赤いタッセルが飾られています。この傘をブレずにしっかりと支えるため、撮影前には手首や腕の角度を何度も調整しました。
ロケーションには江南庭園スタイルの風情ある中庭を選びました。背景には濃い木造の回廊や青瓦の屋根が広がり、築山から流れ落ちる滝が池へと注ぎ、水中を泳ぐ緋鯉の姿もはっきりと見えます。適切なアングルを見つけるため、回廊沿いの木製ベンチに座り、斜め横を向いてカメラに向き合いました。木漏れ日が傘の面に差し込み、墨の濃淡がとても透明感豊かに映し出されました。水辺や植物が多い場所だったため蚊が多く、撮影の合間にはメイク直しと虫除けスプレーがほぼ絶え間なく続きました。
この衣装の撮影で最も克服すべきだったのは、座りポーズと腕のキープ力です。ベンチは地面からある程度の高さがあり、大きな袖と何層にも重なるスカートをまとって座るには重心のコントロールが非常に試されました。傘の重さに加えて背筋をピンと伸ばし続けなければならないため、一見自然に見える写真も、実はすべて体幹を引き締めた状態で撮影しています。幸いにも撮影当日は光に恵まれ、この柔らかい自然光が戦国袍の古典的な質感と見事にマッチしていました。庭園に響く滝の音や鳥のさえずりも、大喬というキャラクターの世界観へと深く没入させてくれました。
この戦国袍は細部の仕立てにも見どころが多く、例えば袖口の底にあしらわれた細い赤い縁取りは、動くたびにチラチラと姿を現します。撮影全体を通して、単に衣装を身にまとうだけでなく、キャラクターの気品や立ち居振る舞いを体得するような、古風撮影ならではの情緒を存分に体験できた時間となりました。今回の戦国袍による大喬のスタイリングを、皆様に楽しんでいただければ幸いです。