夏の終わりに臨んだ今回の撮影で、ちょうどこの八奈見杏菜のカットが一通り揃いました。この季節に対する、一つの区切りでもあります。実は少し前に撮影していた時、夏ならではの独特な光のニュアンスを、どうすればレンズを通して残せるだろうかとずっと考えていました。今回のウィッグは、非常に透明感のある高彩度のブルーを選びました。『負けヒロインが多すぎる!』のトレードマークである、グレーの縁取りが入った白とグレーの制服と合わさることで、視覚的な再現度は抜群です。これこそが、私が八奈見杏菜というキャラクターを大好きな理由でもあります。彼女のブルーにはとても純粋で目を引く存在感がありながら、どこかお気楽にバクバクと美味しそうに食べる生き生きとしたエネルギーが溢れているからです。
今回は全編にわたりソニーA7R5 写真として記録したのですが、説明にもある通り、この機材の圧倒的な解像力のおかげで、衣装の織り目やウィッグの動的なディテールまで非常にソリッドに残すことができました。ハイライトのコントロールにおいては、屋上でのいくつかのアングル(順光撮影)で空の明るさを程よく抑え、深みのある見栄えのする画面に仕上がりました。手すりに沿って光和影が青髪に滑り落ちるような、あの透き通った空気感がとても気に入っており、レタッチの際にもこの柔らかな明暗比を再現するよう特に意識しました。屋上だけでなく、屋外の滑り止め加工が施された階段のディテールも、画面にインダストリアルなラインのアクセントを加え、キャラクターの持つしなやかな柔らかさとの間に美しい素材のコントラストを生み出してくれています。今回の一連の写真では、屋上の隅の手すり際でふと振り返る姿や、階段を上がる途中で見返してくる瞬間など、あえて二次元日常のような生活感のあるシチュエーションを大切に残しました。
そしてもちろん、最も「負けヒロイン」らしさが光るのは、フライドポテトとドリンクを抱えた屋内でのスナップ写真です。キャラクター自体がとても食いしん坊で、元気だけどちょっぴりドジな女の子。そのため、あのファストフード店の中では、あえてポーズをカチッと決めずに完全にリラックスし、普通にランチを食べて冷たいドリンクを飲んでいるありのままの状態で臨みました。少しトーンを落とした屋内の温かみのある黄色いライトが、屋外のまぶしい太陽光との間に高いコントラストを生み出し、外はクリアで爽快、内はアットホームで温かいという、全く異なる2つの世界観を作り出してくれました。
出来上がった写真を見つめていると、あぁ、夏が本当に終わってしまうんだなとしみじみ感じます。このブルーのウィッグに白シャツ、そしてグレーのプリーツスカートの組み合わせは、まさに夏季ならではの清涼感を湛えています。普段から様々な屋外のロケーションに足を運ぶレイヤーとして、このように光線とシチュエーションの双方が完璧に噛み合う夏のスクール風コスプレの瞬間に巡り会えるのは、本当に嬉しい限りです。こうした写真を撮影する前には入念な準備が欠かせず、ウィッグのブラッシング、衣装のアイロンがけ、そしてカメラマンさんとの密なコミュニケーションが極めて重要になります。時に、ただ一言「振り返る」というだけのシンプルな動作であっても、その裏では最もナチュラルな一瞬を切り取るために、表情や体の角度を何度も細かく調整しているのです。
夏はもうすぐ過ぎ去ってしまいますが、写真に宿る色彩と温もりはいつまでも色褪せることはありません。私のこだわりを強く反映した今回のスタイリングが、皆さんに少しでも夏のノスタルジーや眩しいイマジネーションを届けることができれば幸いです。