今回のホタルACGエキスポで披露した『アズールレーン』の赤いスーツスタイルでは、衣装の仕立ての美しさと装飾品の再現度に徹底してこだわりました。イベント会場特有の複雑な照明を考慮し、事前にカメラマンさんと打ち合わせてすっきりとした背景を模索。鮮烈なコントラストを生み出す大きなオレンジ色の壁をメインスポットに選び、クリアで抜け感のある写真を残すことができました。
衣装面では、赤いスーツの立体的なシルエットを美しく保つため肩に薄いパッドを仕込み、程よい厚みと落ち感のある上質な生地をセレクト。襟元を正す仕草やスマートフォンを手にする所作でも型崩れせず、洗練されたラインを維持できました。インナーには黒レースの下着と白シャツを合わせ、クロスした黒タイを締めることで、二次元の記号性と洗練されたオフィスカジュアルの気品を両立。ボトムスにはネイビーのタイトスカートを選び、薄手の黒タイツ コーデにポインテッドトゥのハイヒールを合わせました。会場内をこの足元で歩き回るのは体力勝負でしたが、キャラクターならではの有能で少しツンデレな雰囲気を完璧に体現できました。
ヘアメイクにおいて、ピンクのウィッグはカットに多くの時間を費やし、顔の半分を自然に覆う絶妙な前髪とサイドの毛流れを追求。ブルーのカラコンが肌の透明感をぐっと引き立て、繊細なメタルフレームのメガネとシルバーのチェーン飾りが知的なエルフ感を際立たせています。尖ったエルフ耳は専用の接着剤を使って10分ほどかけて固定。肌の引っ張り感は多少あったものの、レンズの前ではフェイスラインに美しく馴染みました。
撮影は終始リラックスした雰囲気で進み、日常の自然な所作をそのまま切り取るスタイルを採用。例えば8枚目の全身カットは、友人を待つ間にスマートフォンを見つめていた瞬間をカメラマンさんが見事に捉えてくれたもので、タイツに包まれた脚のラインがすらりと伸び、余白を活かした心地よい構図に仕上がりました。襟元を軽く引くポーズも、胸元のレースやネクタイのディテールを見せつつスーツのシワを整える自然な動きから生まれたものです。ストロボの光や行き交う来場者に邪魔されることなく、現像では赤の彩度をしっかりと引き上げ、背景をわずかにぼかすことで主役の立体感を強調しました。
多くの来場者で賑わう会場内でも、鮮やかな赤いスーツとピンク髪の組み合わせはひときわ高い視線を集めました。衣装の準備からウィッグのセット、カメラマンさんとの構図の擦り合わせに至るまで、大好きな作品を形にしていくプロセスそのものが何よりの歓びです。キャラクターの気品と自分自身の個性が心地よく溶け合い、レタッチを含めて大満足の仕上がりとなった、最高に楽しく充実した撮影体験でした。