今回のイベント写真のテーマは、『東方Project』の博麗霊夢による紅白の巫女服です。家を出る前に「今日こそは品行方正な巫女でいよう、前回の写真みたいに中指を立てて神社を破門されるようなことだけは絶対に避けよう!」と3回も確認しました。折りたたみ式の長柄の大幣と巨大なリボン髪飾りを抱えての出発は、普段着るどの衣装よりも複雑だったため少し緊張していました。
この衣装は着付けが非常に細かく、しっかりと整えるだけで40分近くかかりました。巨大なリボンの髪飾りはワイヤーの骨組みがあるものの、少し傾くだけで左右非対称になってしまうため位置調整にかなり苦労しました。袖口のレースや胸元のタッセル、ビーズの装飾も絡まりやすく、細心の注意が必要でした。何重にも重なるスカートは回ったときの広がりが抜群ですが崩れやすく、油断すると裾を踏んでしまいそうになります。足元はフラットな黒のメリージェーンに白いフリルソックスを合わせ、少女らしい可憐さと歩きやすさを両立させました。今回のイベントに向けてウィッグを丁寧にカットし、前髪と触覚(横髪)で小顔効果を引き立て、大きめのカラコンと目の下の赤みチークで瞳に霊気と神秘的なニュアンスを宿しました。
イベント当日は大盛況で、会場内は複雑な光の乱反射と雑然とした背景が広がっていました。人混みを避けるため、カメラマンさんが天井照明のあるスポットを見つけてくれ、大口径レンズの開放F値で背景を綺麗にぼかしてクリーンで奥行きのある空間を作り出してくれました。コスプレ撮影は想像以上に体力を使い、スカートの裾が床に擦れて汚れないか、袖がブースに引っかからないか常に気を配る必要があります。会場の冷房は効いていましたが、この衣装で動き回ると自然と汗がにじみ出ました。
生き生きとした写真を撮るため、カメラマンさんと事前にポージングを念入りに相談しました。特に4枚目の片足を高く上げたポーズは、片足だけに重心を預けて身体をわずかに後ろへ傾け、手には長い棒と紙垂を構えながらバランスとカメラ目線を両立させる難関カットでした。紙垂が風で顔にかかってしまったり重心がブレたりしたため何度もテイクを重ねました。片足立ちをキープした数秒間で足はパンパンになりましたが、完成した写真を見て大感激!スカートが満開の花のように綺麗に広がり、神社で舞い踊るような躍動感あふれる一枚となりました。通りがかった同好のファンの方々から応援の声をかけていただき、とても温かい励みになりました。
キャラクターを表現する際、私はいつもカメラマンさんと表情や仕草をじっくり突き詰めます。博麗霊夢というキャラクターは巫女らしい端正さに加え、どこか自由奔放でマイペースな茶目っ気を持っているため、表情が固くならないよう、時に見定めるような鋭い眼差しを、時に柔らかな笑みを浮かべました。体力は使いましたが、仕上がりのクオリティにもキャラクターへの理解度にも大満足の、挑戦しがいと達成感に満ちた博麗霊夢コスプレ撮影となりました。