今回の夜の撮影は本当に特別な体験でした。夜桜の良さは何と言っても人がいないという、絶好の時間と場所に恵まれたおかげです。『夜廻(よまわり)』のような静寂で幻想的な色彩を帯びた雰囲気にインスピレーションを受け、今回は深夜の桜の木の下で紅白の巫女を撮影することに挑戦しました。
皆さんが目にしているこの衣装は、博麗霊夢のクラシックなスタイリングです。夜桜の環境になじむよう、衣装の紅白の配色がライティングの下で格段にクリアに引き立っています。赤いリボンと黒いロングヘアの組み合わせに、白いレースの縁取りと巨大な袖口が加わることで、夜間でも素晴らしい視覚的レイヤー感を生み出してくれます。頭頂部の大きな赤いリボンと両サイド的白い髪紐も霊夢というキャラクターの象徴的な要素であり、現場で固定するのにはかなり苦労しましたが、最終的な完成写真の美しさを追求するためなら、こうした細かな準備作業はどれほど煩雑であっても価値があります。
夜色の中での撮影ということもあり、撮影時の機材(装備)についても実はかなりの特殊な準備を行いました。夜間の光線は比較的暗いですが、私たちは木の下の微かな光や補光ライト(LEDライト)を利用し、まるで月光が花枝や人物の上に降り注いでいるかのような自然な光感を演出しました。見上げるローアングルの一連のカットでは、桜の枝を天然のフレーム(額縁)として利用し、夜空に浮かぶ一筋の新月と合わせることで、画面全体の神秘的なムードが実に見事に引き立てられています。階段を歩き回る動きのあるカットでは、歩幅のテンポをコントロールしつつ、手にした折りたたみプロップ(御幣など)が動きに合わせて自然に翻る状態を担保する必要があり、撮影時は何度も往復しましたが、撮影担当の友人はずっと辛抱強くスナップ(抓拍)し続けてくれました。
特に大満足だったのは、一連のクローズアップ(特写)カットです。当時はちょうど満開の桜の木の下に佇んでおり、頭上で枝々が交差し、少し顔を上げるだけで花びらと月がお互いを引き立て合っているような感覚を味わえました。床の上に横たわるポーズのカットを撮影した際は、手元に狐のお面を持ち、地面にも花びら散りばめられており、画面全体に非常にストーリー性(物語性)が生まれ、まるで深夜の神社の中で何か特別な神秘の存在に出会ったかのような感覚になります。スタイリングの小道具(プロップ)については、紙垂(しで)で作られた霊符のプロップに加え、撮影要素を豊かにするために白い狐のお面も特別に用意し、最後の数枚の横たわるポーズのカットでインタラクティブな道具として登場させ、作品全体に東方Projectの設定にまつわる面白みを少しプラスしました。
実はこのような夜景のロケ撮影を行う際、最も懸念されるのは光量不足による画面のディテールの喪失ですが、今回の完成写真が出来上がってみると、全体の雰囲気作り(雰囲気の演出)が特別に素晴らしかったと感じています。通行人の邪魔が入らないことも、私たちが紅白の巫女というキャラクターの造形に心から没頭できる要因となりました。静まり返った夜桜の中に身を置き、世界全体にまるで自分とカメラマンさんの放つシャッター音だけが残されたかのような感覚は、本当に奇妙で素晴らしいものです。夜の桜には昼間とは全く異なる清らかな美しさ(清冷美)があり、この紅白の衣装と合わさることで、カメラの前でも無意識のうちにより集中力が高まります。
このような素晴らしい写真群を収めることができたのは、夜間撮影や桜という要素を完璧にコントロールしてくれた撮影チーム、特に夜色を利用して紅白の衣装のコントラストを際立たせ、絶妙なタイミングで定点スナップを連発してくれたおかげです。今回のコラボレーション(協力)を通じて、夜景でのポートレートとコスプレの融合に対する私の理解が新しくなりました。ハイクオリティな衣装(C服)に、アイデアに満ちた撮影視点が加われば、写真の中でキャラクター固有の気品を確実に伝えることができるのだと実感しています。