今回の飛霄の獣耳制作プロセスは非常にシンプルで分かりやすく、複雑な裁断や縫製技術は一切不要です。材料も身近なものばかりで、最初は通販サイトで数十元程度で購入したベーシックな白い狼耳カチューシャを用意しました。このカチューシャは土台の形が綺麗で毛量も適度にふわふわしており、後からの着色加工にぴったりです。着色工程こそがこのハンドメイドチュートリアルの要であり、今回は緑のクリアケースに入った15色アイシャドウパレットを使用しました。主に3列目のブライトブルーとミントグリーンの色味を選び、立体感を出しつつ飛霄のビジュアルに寄せるため、2列目のパープルを適量混ぜて調色したところ、素晴らしい発色になりました。
自然なグラデーションに仕上げるため、大きめのフェイスブラシに適量のアイシャドウ粉を取り、耳の先端からしっかりと色を乗せ、徐々に中間部へとぼかし広げ、最後は円を描くように優しく根元へ馴染ませました。こうすることで先端が最も濃く、中間部がグラデーションとなり、根元には本来の白さが残ります。ムラなく仕上げるコツは少量ずつ重ね塗りすること、そして必ず毛並みに沿ってブラシを滑らせることです。逆毛を立てると毛先がバサバサになり質感を損ねてしまいます。着色後は手や清潔なティッシュで毛を優しく揉み込み、アイシャドウの粉末を毛の奥までしっかり浸透させることで、色が表面に浮くのを防ぎます。
見落としがちなポイントとして、耳の内側と外側の両方に同じグラデーション加工を施すことが挙げられます。頭に装着した際、内外両方が視界に入るため、片面だけ塗ると横顔が非常に不自然になってしまいます。仕上がりを確認するため、グレーのストライプ布(図1)と黒の無地布(図2)の上で比較撮影を行い、着色の均一さを確かめました。着色の仕上げにルーセントパウダーを軽くはたくことで、メイクテクニックを活かした色落ち防止の定着効果が得られ、境目のラインがふんわりと馴染んでより自然なグラデーションになります。
このコスプレ小道具の着用とアレンジについて、この耳はもともとカチューシャ仕様になっており、耳のワイヤーフレームを折り曲げて頭の形に合わせて角度を自由に微調整できます。カチューシャが苦手な方や長時間つけると頭が痛くなる場合は、耳パーツだけを取り外し、グルーガン等でヘアピンを接着してアレンジするのもおすすめです。より柔軟に固定でき、イベント会場で動いても落ちにくくなります。元々の輪郭のフォルムが整っているため、一から造形し直す手間が省けるのも利点です。
当初は飛霄の耳の共同購入に参加することも考えました。専門の作家さんによる造形は内部の詰め物やファーの選定にこだわりが詰まっているからです。しかし諸事情で企画が流れてしまい、撮影日程も迫っていたため自作に踏み切りました。半日ほど格闘した結果、思いのほか飛霄のイメージにぴったり馴染む仕上がりになりました。手で支えてアップ(図3)も撮影しましたが、ファーの質感がとてもナチュラルであることが伝わるかと思います。
もちろん、この着色法は手早く仕上げたい低コスト向けのアイデアです。毛並みの柔らかさや造形美、顔周りのアップ撮影で極上のクオリティを求める場合は、やはり専門の造形作家さんにオーダーメイドすることをおすすめします。なお、今回着色に使用したメイクブラシは普段使いの一般的なもので、作業後にしっかり洗浄すれば日常のメイクに問題なく再利用できます。
工程の中で接着剤など扱いづらい薬品は使っておらず、手も汚れず非常に手軽に作業できました。アイシャドウによる着色は修正が利く点も大きな魅力で、色が濃すぎたり薄すぎたりしても淡いカラーを重ねて微調整できます。最後に装着し、スマートフォンで顔を隠しながら鏡越しに自撮り(図5)してみたところ、黒髪と白いファーのコントラストが際立ち、毛先のブルーが光に透けてとても綺麗でした。通販の到着待ち時間や余計な手数料を浮かせつつ、DIYならではの楽しさを味わえ、コストパフォーマンスも抜群なヒショウ コスプレの挑戦となりました。