今回のジャンヌ・ダルク(オルタ)最終再臨礼装の写真撮影は、主に雪華の黒い教会スタジオで行いました。FGO 10周年の記念として、カメラマンのHans先生と原作イラストが持つ冷徹で厳粛な空気感について綿密に話し合いました。黒い教会のスタジオ内には本物の石壁と巨大な時計の背景があり、垂れ下がる深紅の幕と調和させるため、メイン光源には青紫の寒色光を採用しました。これにより黒革の重苦しさを抑えつつ、銀髪ウィッグの輪郭にクールな光沢を与えることができました。この最終再臨衣装の胸元のカッティングや金属チェーンは重要な視覚要素であり、チェーンが絡まないようポージングのたびに腕の位置を細かく調整しました。スリットスカートのラインを綺麗に見せるため、全身の立ち姿では重心をずらし、体を斜めに構えて左足を前に出すことで、ニーハイブーツの引き締まったシルエットを強調しました。長剣と旗を持つ際は主に前腕に力を込め、切っ先から前方への威圧感が伝わるように意識しました。また、上半身を真っ直ぐ保ち、サイド逆光で剣の柄にあるルビーの輪郭を浮かび上がらせる座りポーズも試みました。この構図は脚の黒ストッキング生地とブーツへの美しいグラデーションを見せるのに最適で、気品と攻撃性が共存する雰囲気を引き出してくれます。旗のダメージ生地も肩の傾きに合わせて自然に垂らす工夫をしました。撮影では様々な焦点距離のレンズを使い分け、あおり構図で空間の壮大さを広げ、アップで小道具や表情を際立たせました。レタッチでは暗部の階調と金属のクールホワイトなハイライトを強調し、洗練された寒色トーンを保つことに注力しました。衣装や小道具は非常に手が込んでおり、撮影前には腰当てのレザーバックルをしっかり留め、アシンメトリーな黒いヘッドドレスを装着する必要がありました。ヘッドドレスは見栄えが良いものの長時間着けると少し締め付け感がありましたが、それがかえってあの冷淡な表情を保つ助けになりました。真上の冷光と床の反射光のバランスを取るため、照明の位置は常に微調整が重ねられました。ライティングの調整が多かったとはいえ、長時間立ちっぱなしで足はかなり疲れました。それでもストロボが焚かれ、かすかに埃をまとったボロボロの旗を目にした時、求める世界観の空気感が自然と立ち現れました。合間のポーズ調整や衣装直し、重い肩当てやブーツの着脱など体力勝負ではありましたが、この重厚なロケーションの中でキャラクターを完璧に具現化でき、非常に充実した撮影となりました。