真夏のロケ撮影、それも戸山香澄のコスプレに挑むのは、まさに体力と気力の双方が試される挑戦でした。淡いブルーのセーラー服と白いスカートは視覚的には爽やかそのものですが、30度を超える猛暑の下、ロケ地はまるで巨大な蒸し風呂のようでした。
香澄ならではの弾ける元気とキラキラした生命感を余すところなく表現するため、橋の下の遊歩道や川沿いの小道を何度も行き来してアングルを模索。赤褐色のウィッグは直射日光を浴び続けると熱がこもりやすく、髪飾りも油断するとズレてしまいがちです。メイク崩れを死守するため、普段の撮影よりもこまめにパウダーを叩き直しました。スカートのプリーツや毛先に躍動感のある風をはらませるため、片足で軽やかにステップを踏んだりカメラへ向かって手を伸ばしたりするポーズを繰り返し、過酷な暑さによる疲労が表情に出ないよう笑顔のコントロールを徹底しました。
持参したブルーのキャンバストートバッグは大正解でした。小道具としてのアクセントにとどまらず、中には熱中症対策の塩分タブレットや冷たいドリンクがぎっしり詰まっており、今回のロケの頼もしいサポーターとなってくれました。バッグを肩に掛けて川辺を駆け抜ける際は、ショルダーストラップがずり落ちないよう配慮。今回は2足の靴を用意し、ブラウンのローファーは制服スカートとの相性が抜群でスクール感を高めてくれますが、坂道の上り下りはなかなかの重労働でした。それでも膝下丈の黒ストッキングが脚のラインをすらりと美しく引き締めてくれたおかげで、ファインダーの前で端正なプロポーションを維持できました。
川沿いの丸テーブルに腰掛けた一連のカットは、実は休憩の合間に自然体で切り取ってもらったものです。午後の川面を撫でるそよ風が、肌を刺す熱気をわずかに和らげてくれました。澄み渡る青空と白い雲を見上げながらシャッターが切られた瞬間、「この夏がずっと終わらなければいいのに」という切ない想いが胸をよぎりました。眩しい日差しの中でも、水面がきらきらと光を反射するテクスチャは抜群の絵力があり、ゴールデンアワーの魔法のような光を逃さずシャッターに収めました。
作品づくりの視点から言えば、夏の屋外撮影は過酷な暑さを克服するだけでなく、刻々と移ろう光との時間との戦いでもあります。正午のトップライトは影が硬すぎるため、午後4時以降の柔らかな斜光をじっくり待ちました。逆光での撮影では顔まわりの透明感を保つため、レフ板による起こしが欠かせません。衣装の生地が軽やかなため、座りやしゃがみの姿勢ではスカートのドレープが乱れてだらしなく見えないよう細かく形を整えました。カメラマンさんとの意思疎通も極めて重要で、目指す青春の疾走感を事前にしっかり共有し、構図の切り取りとシャッターチャンスの呼吸を完璧に合わせました。
すべての撮影を終えた頃には脱水寸前の状態でしたが、仕上がったモニターに広がる眩しい色彩を目にした瞬間、流したすべての汗が報われたと確信しました。これからメイクを落としますが、この写真たちが夏の爽やかな風を少しでも長く留めてくれることを願いつつ、次のキラキラした物語への期待を膨らませています。