「混沌初めて開け、陰陽を分かち、循環更迭して万物蒼蒼たり。その微妙なるを九天の下、六合八荒に観る」――この詩句に宿る雄大な世界観を胸に、アニメイベントの期間中に軒先生と夜景ロケ撮影を敢行しました。純陽門派が持つ凛とした気品に寄り添うため、あえて撮影時間を深夜に設定し、背景にまばらな街明かりが滲む開けたロケーションを選定しました。
まずは天極セット(天極套)の衣装ディテールについて。全体は深みのある藍色と純白の美しいブロッキングで構成されています。上羽織の青い生地はシアーな半透明素材で仕立てられ、夜間のストロボ光を浴びて繊細なラメが瞬き、インナーの白スカートには淡い水紋と八卦を思わせる幾何学模様が施されています。ヘアスタイルは純陽ロリを象徴する愛らしいお団子結び(盤髪)を忠実に再現し、両サイドに純白のモフモフポンポンと金属製タッセルのかんざしをあしらいました。手にした剣は透明なアクリル素材にブルーのLED発光ユニットを仕込んでおり、夜景の中で氷の結晶が光を屈折させるかのような冷涼な鋭さを放ちます。
ポージングの設計については、軒先生と綿密に対話を重ねました。純陽という門派は、道を求めて仙道を修める清冷な孤高感と、武侠ならではの研ぎ澄まされた鋭さを兼ね備えています。そのため、甘く柔らかな所作に逃げることは許されません。2枚目や4枚目に見られる片膝をついて片手を前へ伸ばす姿勢や、両手で柄を握りしめる構図は、ミリ単位で角度を微調整し続けました。画面の中で刀身が力強い対角線のテンションを描き出すよう、重心を低く保ちながら手首と前腕の筋力をコントロールし、切っ先を特定の光源方向へと真っ直ぐに向けました。ヒールブーツのまま低い体勢をキープするのは太ももに激しい負荷がかかりましたが、モニターに映し出された研ぎ澄まされた眼光を見るたび、苦労のすべてが報われたと実感しました。
この作品で何より息をのんだのは、光と影の重厚なマテリアル感です。軒先生は被写体を単に白く均一に照らし出す平坦な光を排し、指向性の高い硬質なハードライトを用いて、闇夜の背景から被写体の輪郭をドラマティックに浮き立たせてくださいました。遠くの街灯が柔らかな円形ボケへと昇華し、深藍の衣装と透き通るような白肌と相まって、往年の名作ドラマ『紅楼夢』から抜け出してきたかのような古典的な気品を醸し出しています。普段、自分の作品に「レトロ」という言葉を使うことは滅多にありませんが、シャドウ部の豊かな階調も、布地のエッジを走るハイライトも、得難いほどの重厚感を湛えており、イベントの夜に撮影したとは思えないほどの仕上がりとなりました。
最後のカットを撮り終える頃には体力も集中力も限界に達していましたが、剣の柄を握り直すだけで瞬時に瞳の焦点が研ぎ澄まされました。カメラの液晶モニターに映るプレビューを見つめながら、「私自身もこれほど物語性と美貌を宿した姿を表現できるのだ」と、胸の奥で静かな感動が込み上げました。仙侠のたおやかな浮遊感と、武侠の揺るぎない重厚感が共鳴し、私が表現したかった理想の美学が完璧に結晶化した作品です。