界園で開催された『アークナイツ』カーニバルD3。今回の最大の目的は、会場での交流や仲間たちとのイベントでの撮影(ツーショット集め)でした。今回のスタイリングのために、白シャツに黒のネクタイを合わせ、ふわふわと長い立ち耳のうさ耳カチューシャをセット。スクールテイストと獣耳要素を融合させた、清楚で愛らしい雰囲気を追求しました。シャツの襟元や袖口にフリルのディテールがあしらわれているため、混雑する会場内の動線を考慮し、出発前にウエストや裾のラインを整え、動き回っても美しいシルエットが崩れないよう万全を期しました。
会場に入ると、本日の照明環境はツーショット撮影にはかなり手ごわいコンディションであることが判明。メインステージや主要展示ブースでは世界観を演出するために強いトップライトや色とりどりのスポットライトが多用されており、他のレイヤーさんと記念撮影をする際に顔へ不自然な影が落ちやすく、スマートフォンの撮って出しでは少しもどかしい仕上がりになってしまいました。しかし、トラブルに直面した時こそ創意工夫の出番です。立ち位置と露出を立て直すべく無地の壁面を探して歩き回るうち、人通りの少ない静かな通路へと辿り着きました。
その通路の壁面は光が比較的フラットに回っており、淡い青緑色の背景の左手には赤い非常ボタンと消火器が設置されていました。この壁を活用して何枚か撮り直そうかと二人で相談していた際、私が無意識に手を伸ばしてうさ耳の角度を直し、相方が光量を測るためにスマホを構えました。まさにその瞬間、壁面に投射された影が驚くほど鮮明で生き生きとしていることに気づいたのです。うさ耳を戴いた二人の姿がすっきりと引き伸ばされ、輪郭がくっきりと浮かび上がる、強烈な視覚美を湛えた美しいシルエットがそこにはありました。
私たちはすぐに正面からの記念撮影を切り上げ、この「影」の表現に集中することにしました。私はそっと手を添えてうさ耳の傾きを微調整し、シルエットの輪郭に豊かな立体感をプラス。相方は光源の方向を的確に見極めながらスマホを構え、影と実像の美しいコントラストを活かしてこの特別な一枚を切り取りました。影は並び立つ二人の佇まいを忠実に残してくれるだけでなく、誇張された耳のプロポーションが愛らしい遊び心を添え、会場の照明によるアクシデントを見事に最高の演出へと昇華させてくれました。
イベントに参加していると、思い通りにならない想定外の事態には日常茶飯事で遭遇します。理想的ではないライティングや雑多な人混みもその一部です。しかし、既存の撮影手法にとらわれず、現場の影や周囲の構造物をクリエイティブに味方につけることで、思いがけない素晴らしい表現に巡り会えることがあります。白シャツとうさ耳の組み合わせは、影の中で静謐でありながらどこか茶目っ気のある独特の情緒を放っていました。
D3の全行程を振り返ると、広大な会場を歩き回って足腰は疲れ果て、ライティングによる苦戦もありましたが、こうした偶然のひらめきこそがこの一日を唯一無二の宝物にしてくれました。ブースの設営や照明、そして一見何気ない通路の壁面ですら、次なる作品を生み出す最高の舞台になり得ます。イベント会場でのありのままの呼吸を記録することこそ、コスプレという表現の奥深い醍醐味なのだと改めて実感しました。