青島の廃墟ビルで行った今回の『ニーア オートマタ』コスプレ写真の撮影は、現場の設営から撤収まで6時間以上を費やす過酷なものとなりました。2着の衣装はそれぞれ異なる個性を放ち、1着は地模様と刺繍が施されたゴシック風コスプレの黒いヴィンテージロングドレスで、胸元のカッティングのフィット感を何度も直し、袖口のフェザー飾りがアクションのたびに刀の柄に引っかかるのに苦心しました。もう1着は光沢のある黒のレザージャケットにショートパンツとハーネスを組み合わせたスタイルで、ニーハイブーツとポインテッドトゥのハイヒールの美しいラインを引き出すため、着用と着こなしの調整だけでもかなりの時間を要しました。
廃墟の空間は想像以上に砂埃が激しく、地面一面が砂土で覆われていたため、レザー衣装やブーツは足を踏み入れるだけですぐに埃まみれになりました。冷徹で殺伐とした空気感を演出するため現場で発煙筒を焚き、寒色系の補助光を白髪ウィッグに当てることで、エッジの効いたシャープな輪郭を浮かび上がらせました。最も体力を削られたのは2人での殺陣のアクション付けです。刀剣が交錯する瞬間の張り詰めた緊張感を捉えるため、安全を確保しつつ威圧感に満ちた眼差しを崩さないよう、太刀筋の角度と間合いをミリ単位でコントロールしました。高台の縁にヒールで立って見下ろすロングショットの構図は重心を取るのが極めて難しく、納得のいく瞬間を捉えるまで何度もテイクを重ねました。
被写体同士の息はぴったりで、至近距離での対峙シーンでは刀身が互いに接触しないよう床に目印テープを貼り、立ち位置と足運びを徹底管理しました。広大な吹き抜け空間には自分たちの足音と吹き抜ける風の音だけが響き、カットがかかるたびに全員で手を擦り合わせて暖を取り合いました。メイクも引き算の美学を意識し、過度なアイメイクは排して冷白な陶器肌と赤いリップのコントラストを際立たせることで、終末の機械世界にふさわしいビジュアルを追求。撮影終了時には衣装も靴も砂埃まみれになり、ウィッグも激しく絡まりましたが、未加工のカットに宿る光影の鋭さと躍動感を目にした瞬間、事前の準備の苦労がすべて報われたと確信しました。