今回のロケーションには、ゴシック教会の建築要素を取り入れたスタジオを選び、赤と青の強烈なコントラストカラーの照明で撮影を行いました。カメラマンのソーダ先生がこの明暗と寒暖の差を見事に捉えてくださり、床からの赤い光と上からのクールブルーのトップライトが合わさることで、白いドレスの上に落ちる光と影の質感が非常にドラマチックに仕上がりました。
アイリスフィールのキャラクターを再現するため、撮影前には入念な準備を重ねました。銀白のウィッグは丁寧にスタイリングし、人間離れした神秘的な色白肌を表現するためベースメイクは明るめにトーンアップ。アイシャドウと目尻にはほんのり赤みを差しました。ロングドレスにロングベールという組み合わせのため、ヒールにベールを引っ掛けないよう足元には常に気を配りました。撮影中も何度もドレスの広がりを整え、カメラマンさんからドレープの美しい落ち感やストーリー性の出し方について的確なアドバイスをいただきました。
キャラクター自体は重厚で悲劇的な宿命を背負っていますが、現場の雰囲気は終始和やかでした。血のような赤い液体が滴る聖杯の小道具を手にした際は、白いチュールを汚さないよう慎重に動きをコントロールしました。その後、階段に腰掛けて白い光の玉や赤い羽根を持ったカットでは、荘厳な儀式感を出すために首を反らせる姿勢を何度も調整し、首が少し凝るほど集中しました。
今回の写真集には多彩な感情表現が詰まっています。静かに立ち前を見つめる姿、両手を頭上に掲げて生贄を想起させるポーズ、目隠しをして赤い薔薇を手にアーチの下に佇む姿など、どのカットにも独自の解釈を込めました。この丈のロングドレスでの撮影は姿勢のキープを含めて体力を使いましたが、完成したビジュアルは息をのむほど特別でした。この光と影の世界観の中でアイリスフィールの内なる気品を体感でき、深く心に残る撮影記録となりました。