先月、夜桜撮影の予定を組みました。今回のメイクアップや撮影プロセスには語るべきディテールがたくさんあります。この淡いブルーのドレスは視覚的にとても華麗で、重なるフリルやレースのヴェール、垂れ下がる青いドロップビーズなど、一見軽やかそうに見えて実際に着用するとずっしりとした重みがあり、パニエや重厚な生地の重なりも相まって、体力の消耗はかなり大きなものでした。
メイクやスタイリング面では、ピンクのウィッグのふんわり感とカールの美しい弧度を丁寧にセットする必要がありました。衣装全体が寒色系のブルーベースであるため、ピンクのカラコンとアイシャドウに重点を置き、冷たいトーンの中でも目元が生き生きと輝き、背景の夜桜とも調和するようにしました。強い照明下でも視線がしっかりカメラに定まるよう、カラコンやアイラインの微調整にはかなりの時間をかけました。
撮影用の小道具には赤い扇子と和傘を使用しました。昼の桜と夜桜では受ける印象が全く異なり、夜桜はライトアップによって非常に鮮やかな色彩の彩度を放つものの、光の当たり方が不均一になりがちです。扇子を扱う際は腕の伸びやかさを意識し、扇面で顔の光を遮らないようにしつつ自然な所作を保ちました。一方、和傘を使った撮影はさらにアングル選びが重要で、この傘はレースと透明な傘面が施されているため、光が透過するポイントを見つけなければ傘の透明感ある輝きを表現できず、単なる平坦な暗い遮光板になってしまいます。
夜間撮影だったため逆光の環境が多く、少し油断すると顔が露出アンダーになってしまいます。カメラマンさんは各方位の補助ライトの位置を調整し、街灯の光斑を活かして背景に美しい玉ボケを作り出してくれました。枝の下を歩いてアングルを探す際も、スカートのボリュームが大きいため移動が容易ではなく、立ち位置を何度も直す必要がありました。桜を見上げるポーズや横向きの振り返り、傘を差して正面を見据えるカットなど様々なポーズに挑み、小道具の位置を変えながら画面に深みを加えました。このセットで最も気に入っているのは正面から傘を持った1枚です。中央構図で光が均一に回り、ドレスの襟元のレースディテールや鎖骨のライン、表情が夜桜という壮大な背景に見事に溶け込んでいます。撮影を通じて夜桜ならではの凛とした清冷な空気感を肌で感じることができ、キャラクターの持つ優美な気品とも深く共鳴し、光と影の演出も雰囲気も期待通りの素晴らしい仕上がりになりました。