最近の成都は雨や曇りの日が多く、撮影当日の天気予報はもともと晴れだったのですが、現地に到着してみると空一面が厚い雲に覆われ、光が非常に平坦でした。自然の太陽光がないのであれば、自分たちで光を作るしかありません。今回の王昭君 - 映山客というテーマの撮影では、全体的に霞がかった幻想的な仙気を表現したかったため、フラッシュライティングが写真全体の仕上がりを左右する決定的な鍵となりました。
今回はGODOXのAD200を2灯用意しました。そのうち1灯を3メートルの高さのライトスタンドに取り付け、モデルの斜め後ろ約3メートルの位置に配置。1/1のCTOフィルターを装着して暖色系の逆光をシミュレートし、バーンドアで光を絞って背景のピンクミューリーだけを照らすようにしました。この意図は、人物と背景を切り離し、画面内に環境のハイライトのレイヤーを作ることで、まるで花海の向こう側から夕日が拡散して差し込んでいるかのような効果を狙ったものです。正面からは、もう1灯のAD200に90cmのオクタゴンソフトボックスを組み合わせて面光を当てました。曇りの日の環境光は拡散しすぎてフラットになりがちですが、正面のソフトボックスのおかげで、モデルの顔立ちの柔らかさを保ちつつ立体感を引き出すことができました。
カメラはソニー α7 IVにシグマの85mm F1.4大口径単焦点レンズを組み合わせました。85mmの焦点距離はピンクミューリーの草むらの中で非常に使いやすく、手前の草をふわふわとしたピンクの前ボケとして自然に処理し、背景のミューリーも柔らかな色面として落とし込んでくれます。α7 IVはハイライトの白飛びコントロールにおいて非常に安定したパフォーマンスを発揮し、人物の肌の質感と環境色との融合も見事に処理してくれました。
今回の王昭君のスタイリングは細部へのこだわりが満載です。最も目を引くのは、巨大でありながら軽やかな白い斗笠で、笠には真珠のタッセルと薄い白紗のベールがあしらわれており、風が吹くとベールがひらひらとたなびいて雰囲気を出すのに最適です。流れるような紫のロングヘアに、額の真ん中に入れた赤い花鈿、そして目尻に施した淡いパープルのグラデーションが相まって、全体的に清冷でしとやかなメイクに仕上げています。衣装は純白をベースにした軽やかな薄紗のデザインで、肩には立体的なピンクと赤の絹花が飾られ、袖口や襟元も赤い飾り紐でアクセントがつけられています。曇りの日に白い衣装を撮影すると、くすんで見えたり立体感がなくなったりするのではないかと心配されがちですが、背後の暖色系の逆光が衣装のディテールや髪の輪郭光をくっきりと浮き上がらせてくれたおかげで、ピンクの花海の背景の中でこの白い衣装がむしろ非常に鮮やかに際立ちました。
撮影時のポージングの誘導においては、主に花の枝や斗笠に合わせて軽やかさを表現することに注力しました。花の枝を手にしたカットや、両手を重ねて斜めを向きながら振り返るアングルなど、どれもこの衣装の大きな水袖のしなやかさを美しく表現できています。最初の1枚を撮影したときにはちょうど一陣の風が吹き、ピンクミューリーの綿毛と斗笠のベールが一緒に舞い上がり、空気感が最高潮に達しました。
総じて、今回の曇天の中での2灯による人工的なライティングは、単に好天を待つよりもはるかにコントロールしやすいものでした。特にサイド逆光にCTOフィルターを組み合わせたことで、冷白皮の肌の質感を保ちつつ、環境に温かみのある輝きを帯びさせ、このピンクミューリーのエリアをまるで日没の夕暮れ時の夕日のような温かい色調に仕上げることができました。完成した写真はまさに期待通りの仙気にあふれるものになりました。