今回は東方Projectの洩矢諏訪子(みんなが親しみを込めて呼ぶケロちゃん)を撮影しました。この衣装の準備にはそれなりに時間をかけ、特に帽子についている小さな目玉の装飾は、しっかり立たせつつ唐突に見えないよう位置を何度も調整しました。麦わら帽子コーデの素材には程よくしなやかな編み込みタイプを選び、屋外の枝の引っかかりにも耐えられるようにしています。紫のアウターに施された白い地模様は古典的なツタ柄で、キャラクター設定の「神様」らしさに合わせるため、裾のレースやタッセルは綿素材を中心に選び、風になびきすぎず自然に垂れ下がる質感に仕上げました。
撮影ロケーションには、中央にダークグレーの多層石塔が佇む幽深な森の空き地を選び、素晴らしい古塔の外観のロケとなりました。ロケハンの時点で雰囲気がぴったりだと感じました。石塔の質感、祠のディテール、傍らの白い小さな石祠など、どれも古く静かな情緒を漂わせています。1枚目の写真で掲げている緑のハスの葉の小道具は、実は支えの棒を入れてカーブを維持できるよう加工したものですが、森林写真のリアルな緑の背景と驚くほど調和しました。後半の2枚では木製のリングに持ち替えています。リング自体は比較的軽いため、手にしてポーズをとる際はブレないよう力加減をコントロールする必要がありました。撮影当日は太陽光が木々を抜けて地面に美しい斑紋の光影を落としてくれましたが、光の差し込む位置が刻々と変わるため、カメラマンと私は光を追いかけながらアングルを変えるたびにピントを合わせ直しました。
2枚目と3枚目は石塔の台座前で撮影しており、数段の階段が人物と石塔の縦の立体感を生み出してくれました。撮影時は意識して姿勢を調整し、重心を少し後ろ足に置いて体を緩やかに斜めへ向けることで、両手に持ったリングのアングルが伸びやかに映るようにしました。1枚目のハスの葉を掲げるポーズでは、葉が大きくて真っ直ぐ立つと顔が隠れてしまうため、少し前かがみになり、カメラマンにややローアングルから捉えてもらいました。今回は人工の光源を使わず、すべて自然光の拡散光に頼ったため、レタッチでは色温度とコントラストを軽めに調整し、深い森の緑と石塔の青グレーの質感を生かして、紫の衣装が浮くことなく鮮やかに映えるようにしました。
衣装の細かいディテールにもこだわっており、例えば袖はゆったりとしたランタンスリーブで白いインナーが付いているため、腕を大きく広げる動作には少し制限があります。ですが事前にテストしておいたおかげで、大きすぎる動きを避ければポーズ作りにはほとんど影響しませんでした。歩くたびにスカート裾のレースが軽やかに揺れ、動的なカットもいくつか撮影しましたが、最終的には石塔の落ち着きと人物の静かな佇まいを最も引き立ててくれる静止カットを選びました。道具に関してはハスの葉もリングも交互に使用できますが、リングはクラシックなポーズに合い、ハスの葉は夏の涼やかな雰囲気に寄っていると感じます。
撮影中にちょっとしたアクシデントもありました。石塔の横の地面に落ち葉や泥が多く滑りやすかったため、しっかり立つために滑り止め底の明るい色の靴に履き替えました。写真には靴は写っていませんが、足元の安定感はポーズ作りに非常に重要です。全体として撮影時間は短かったものの、光の当たり具合が完璧でロケーション自体に強いストーリー性があったため、写真の採用率はなかなか高かったです。無理な動きを作らなくても、そこに立つだけで自然に風景へ溶け込むことができました。
最後に写真を整理した際、この3枚がそれぞれ異なる角度や道具を過不足なくカバーしていると感じました。1枚目は環境全体のパノラマ、2枚目は建築と人物のスケール感、3枚目は人物の表情と小道具のディテールに焦点を当てています。皆さんに共有することで、このスタイリングの完全な記録になれば幸いです。