山頂のガレ場を下る際、足元の砕石が非常に滑りやすく足を取られました。今回の撮影は標高3,000メートル近くの尾根(稜線)で行われ、風が猛烈に強く、ウィッグを整えたそばから突風に煽られて乱れてしまうほどでした。
『東方Project』の比那名居天子ならではの高慢で見下ろすような威厳ある佇まいを表現するため、カメラマンの@DeFocus: Buさんと2日前にしっかりとロケハンを行いました。朝6時過ぎには起きて機材と衣装を準備しましたが、衣装自体にかなりの重量があり、特に大きく広がった白い袖は強風の中でまるで2枚の旗のようにはためきました。幾重にも重なる白いスカートと白タイツ(白タイツコスプレ)は風で絡まりやすく、撮影の合間にドレープのシワをこまめに整えて綺麗なシルエットを維持しました。
2枚目の写真はちょうど雲海が激しく沸き立つ切れ目で撮影したもので、雲の隙間から差し込む陽光がドラマチックに降り注ぎました。カメラマンさんから半身(サイド)に構えるよう指示を受け、片手で黒い帽子のつばを押さえ、もう片方の手は自然に下ろすポーズを取りました。足元の黒いミドルブーツが砕石に埋まり、重心を安定させるために脚全体の筋肉を引き締めたことで、背筋の伸びた凛々しい立ち姿を作ることができました。強い日差しを浴びた白タイツの上質な質感も鮮明に描写され、このコーディネートの大きな見どころとなっています。
1枚目の後ろ姿のカットは下り坂で撮影したもので、カメラに背を向け、両手を上げて帽子を直すような仕草を捉えました。こうしたロングショットでは全体のシルエットとロケーションとの調和が重視され、プロポーションと鮮やかな青髪が画面の中でひときわ引き立ちました。広大な空が画面の3分の2を占める構図は、非常に開放的で雄大なスケール感を生み出してくれました。
このような高地での屋外撮影では、シャッターを切るたびに風向きを確認することが欠かせませんでした。青髪や袖口が舞い上がると顔を覆ってしまいやすいためです。衣装に結ばれた複数のリボンも動くたびに脚のストラップに絡まりやすかったため、ポージングの際は適度な空間を意識しました。撮影は体力的にも過酷で、眩しい直射日光を受けながら表情を自然に保ちつつ、傍らの岩肌でタイツを傷つけないよう細心の注意を払いました。
この装いは『東方緋想天』の王道デザインであり、重厚な金属パーツや細やかな刺繍がふんだんにあしらわれているため、屋外の自然光の下で金属の上質な光沢感が美しく際立ちました。逆光の的確な位置を探り、光で人物の輪郭をくっきりと縁取るようカメラマンさんと息を合わせました。山頂ですべてのカットを撮り終え、周囲に広がる雲海と連なる山々を見渡した時、本物の大自然がもたらす圧倒的な空間の広がりはスタジオでは到底再現できないものだと実感しました。カメラマンさんとの呼吸も抜群で、完成した写真はキャラクターの放つ気品と雄大なロケーションが見事な調和を見せてくれました。