今回の星塵(シンチェン)のメイクやスタイリングを決定するのにはかなりのこだわりを费やしましたが、実際のストリートの光の下に立って初めて、衣装の異なる素材がもたらす豊かなレイヤー感を肌で感じることができました。今回のストリートロケにはレトロな要素を取り入れた街並みを選び、カラフルな横断歩道や赤いクラシックカーが、全体的な紫黒ベースの二次元ファッションの基調と絶妙なコントラスト(衝突)を描いてくれました。
ウィッグの銀白色の毛髪は、前髪をセットする際に絶妙なニュアンスを残し、頭の上のトレードマークであるアホ毛はしっかりとスタイリング剤で固定して、動いても形が崩れないように配慮しました。黒いトップスにはオフショルダーとフリルのデザインが施され、袖のプリーツ加工が視覚的なふんわり感を高めており、スカートの裾の紫の切り替えと細かなフリンジが、歩くたびに流れるような自然な揺れを表現してくれます。靴にはレースアップの太ヒールマリージェーンを合わせ、スタイルアップと重心の安定感を両立させました。
現場ではいくつかの異なるポージングに挑戦しました。手を伸ばして手元にピントを合わせたバストアップ写真は、インタラクティブな距離感を強めるため。体を斜めにして振り返ったカットは、主にウィッグの美しいドレープ感と背中のディテールを見せるため。信号待ちや横断歩道を渡る全身カットは、このキャラクターが現実の街並みをすり抜けていくようなリアルな移動感を表現したいと考えました。リボン(彩帯)は実は想定外の嬉しいアシストツールで、リボンを振りかざしたスナップの瞬間、地面のカラフルなラインと衣装のフリンジが美しく呼応した、素晴らしいコスプレ撮影となりました。
光と影の処理に関しては、日中の自然光が非常に明るかったため、白いウィッグが強い光で白飛びしてディテールを失わないように反射に注意しつつ、ダークトーンの衣装のシャドウ(暗部)の階調もしっかりと残すように意識しました。この衣装は動きやすさの面でも非常に柔軟で、カメラマンさんのスナップのタイミングも完璧だったため、のびのびとリラックスして様々なポーズを繰り出すことができました。
二次元のデザインを三次元の日常のストリートに落とし込むには、レッグリングやベルトの締め具合を含め、アクセサリーの配置や全体のバランスを適切に微調整する必要があります。これは単なる着替えではなく、キャラクターの持つ気品を自分なりに咀嚼するプロセスなのです。
振り返ってみると、着替えからメイク・髪型の微調整、構図やアングルの選定にいたるまで、午後いっぱいを丸々費やしました。完成した写真に写り込んだ見慣れた街並みや、背景を通り過ぎる歩行者、車を目にすると、まさに次元の壁を打ち破ったかのような不思議で素敵な体験を味わえます。この素晴らしい思い出とともに、今回の屋外ロケ撮影も大満足のいくクオリティで締めくくることができました。