手元にあったアニメイベントのコスプレ会場写真のレタッチ工程をまとめてみました。イベント会場の写真はどうしても環境上の制約が多く、照明の乱れや背景の通行人の多さなど、制御できない要素がつきものです。そんな時こそ後処理のレタッチで補正する必要があります。今回はPixCakeというソフトウェアを使用しました。AI機能が非常に手軽ですが、クオリティを高めるには手作業での微調整も欠かせません。
ステップ1は画像全体のトーン調整(全体調整)です。まずは露出を適正に戻し、ハイライトを抑えて背景の明るさが被写体を邪魔しないようにしつつ、シャドウを持ち上げて暗部のディテールを残します。次にHSL機能でオレンジ色を中心に調整します。これは肌の透明感を左右する最重要カラーだからです。肌色をトーンアップして背景を少し沈めることで、被写体が背景から自然と浮かび上がります。ちなみに、ストッキングを着用している場合は、この段階で脚部の陰影を整えておくことで、黒ストッキングの滑らかで美しいツヤ感を出すことができます。
なお、ステップ1に入る前に、元画像の光の向きをしっかり確認しておくのが私のルーティンです。展示会場の照明はトップライトや乱反射が多く、処理が難しいためです。部分補正では、ブラシツールを使って脚元のストッキングのハイライトを個別にレタッチし、ニーハイの黒ストッキングの質感をよりきめ細やかに仕上げるのがお気に入りです。
ステップ2は背景のカラー処理です。アニメイベントの床面は光の反射が強く、色鮮やかな看板や衣装、人混みが画面のまとまりを損ないがちです。そのため背景マスクを選択して彩度を落とし、背景をモノトーン調に統一して被写体の邪魔にならないようにします。その後、レベル補正で背景の明暗を締め、質感を持たせることで被写体を引き立てます。
ステップ3は背景の不要物除去です。この工程ではスマートAI消去をそのまま使い、画面に映り込んだ他のレイヤーさんや通行人、床のゴミなどを囲んで消去します。AIによる補正は非常に自然で、不自然な塗りつぶし跡を残さず、床本来のツヤのある質感を綺麗に再現してくれます。スタンプツールでちまちま消す手間が省け、大幅な時短になるので本当におすすめの機能です。
ステップ4は人物の美肌・ポートレート補正です。まずはモデルさんの顔立ちの特徴を観察し、元の肌の質感を損なわないよう数値を控えめに微調整します。ゆがみツールでフェイスラインとスタイルを軽く整え、肌色補正機能で透明感のある均一なトーンに整え、会場照明による色ムラを解消します。最後に顔立ちのディテールを整えて瞳の輝きと唇の血色感をアップ。AIヘアツールで髪の毛のアホ毛やおくれ毛を整えることで、全体のスタイリングをより立体的に引き締めます。
最後にまとめると、写真編集は魔法ではなく、本来あるべき美しさを丁寧に引き出す作業です。今回のコスプレ会場写真は特定の作品名に触れていないため、キャラ名は記載していません。大混雑のアニメイベントで納得のいく構図の写真を撮るのは大変ですが、レタッチはその瞬間の感動を完璧に残すためのものです。このPixCakeを使った写真編集チュートリアルの考え方が、少しでも皆さんのコスプレ撮影の参考になれば幸いです。