今回の『FGO』『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』の水着撮影では、スタジオ内に作り込んだ夏のプールの美術セットを選定し、夏の陽射しの下ではしゃぐ彼女の元気いっぱいな空気感を表現することを目指しました。
まずは衣装のスタイリングから。ピンクの光沢ホルターネッククロップドトップスに白のフリルミニスカートを合わせ、襟元には白いシャツカラーとオレンジピンクのリボンタイ、背中には可憐な白い小悪魔風の翼を配してアクセントを効かせました。頭上には白い羽根の髪飾りと金髪のツインテールをセットし、キャラクターの象徴的なビジュアルを忠実に再現。夏らしいテーマに寄り添うため、王道の魔法のステッキはあえて持たず、シチュエーションに合わせてカラーボールや透明な浮き輪を小道具に選び、デッキチェアやプールサイドでシャッターを切りました。
撮影当日の照明はスタジオ内で再現した擬似太陽光をメインに構築。肌の透明感とピンクの光沢生地のツヤを際立たせるため、カメラマンの牛牛さんは富士フイルムX-S10に27mm F1.2レンズを装着して撮影に臨んでくれました。この画角は室内撮影に絶妙で、大口径ならではの美しい前後のボケ味が、背景の観葉植物や救命浮輪、青いタイルのプールを過度に主張させず、表情の微細なニュアンスや澄んだ瞳を鮮明に捉えてくれました。ポージングでは、白いプラスチックチェアに横たわり脚を組む姿や、青いタイルの縁に腰掛けて両手でボールを掲げるカットなど多彩な座り姿に挑戦。スカート丈が短いため、露出事故に細心の注意を払いながら、画面の中で脚のラインが自然にしなやかに伸びるよう意識しました。透明な浮き輪のカットではプールサイドに横座りし、脚をボールの海へ垂らすことで、視覚的な清涼感を存分に引き出しました。
夏をテーマにした水着コスプレの撮影において、最も警戒すべきは肌のテカリとメイク崩れです。撮影前には皮脂崩れ防止下地を仕込み、ファンデーションにはマット系を選び、首筋や四肢にもボディ用トーンアップクリームを馴染ませて強光の下でもムラのない美肌を整えました。ウィッグは耐熱ファイバーを使用しましたが、ロングツインテールは送風や激しい動きで絡まりやすいため、撮影の合間にコームで丁寧に梳かし続けました。カラコンには鮮やかなピンクを選びましたが、大径レンズは長時間の装用で乾燥しやすいため、目薬の常備が必須だと実感しました。
表情のコントロールに関しては、イリヤが持つ無邪気でお茶目な魅力を何より大切にしました。デッキチェアに横たわる1枚目では好奇心と気だるさを滲ませて指先で髪を弄び、ボールを掲げる2枚目では頬を少し寄せて元気いっぱいに微笑みました。透明な浮き輪に寄り添う3枚目では眼差しを柔らかく緩め、視線をフレームの外へと泳がせることで、物語の余白を感じさせる仕上がりにしています。
撮影を通して一番体力を消耗したのは、硬く滑りやすいタイルの上で脚を組んだり姿勢を保ち続けることでした。しかし、仕上がった写真の青いタイル、ピンクや紫のカラーボール、純白のスカートが描く鮮やかな色彩の対比と、光沢生地に落ちる幻想的なハイライトを目にした瞬間、思い描いていた視覚的張力が完璧に形になったと確信しました。大がかりな造形物に頼らずとも、空間の豊かな色彩と被写体の生き生きとした表現力によって画面を美しく満たすことができました。この『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』のプール撮影が、皆さんに心地よい夏の爽快感をお届けできれば幸いです。