この「春の宴」のイベント写真を撮影する際、一番頭を悩ませたのは太い三つ編みおさげと頭の鹿の角でした。ウィッグは黄×白のグラデーションに仕上げ、毛先の鮮やかなブルーをワンポイントにしています。崩れないよう、ヘアピンを二重に使い、ハードスプレーで固めて固定しました。衣装はバイオレットのオフショルダー羽織で、襟元和袖口の白いレースフリルは非常に手の込んだ作りになっています。インナーの黄色いショートトップスのカットはウエストラインを綺麗に見せてくれ、動いても締め付け感がありません。首元の小さな花のチョーカーと手袋の紫の模様は、テストメイクの際にアクリル絵の具で手描きしたもので、プリントよりもずっと質感が良く仕上がりました。
撮影場所は大型イベントの屋内会場でした。天井の照明は非常に明るいものの、背景の柱などが映り込みやすいため、フォトグラファーは終始85mm単焦点の大口径レンズで寄り、雑多なブースや人混みを綺麗にボカしてくれました。小道具には長剣、竹かご、そして一束の黄色い麦の穂を用意しました。麦の穂はプラスチックの造花と針金を曲げて作ったもので、手軽で軽いのですが、撮影中に折れないよう注意が必要でした。一番気に入っているポーズは、片膝をついて振り向くカットと、かごを持ち上げているカットです。もふもふの尻尾と白い縄が身体を捻った時に自然になびき、視線のフォーカスと合わさって、農繁期を終えた農閑期ならではのゆったりとした情緒が巧みに表現できました。
撮影全体でおよそ40分ほどかかり、照明で色が飛びやすいため途中で一度チークを補正しました。レタッチ(後期処理)では肌の磨き込みを控えめにし、肌の質感やリップのマットな質感を生かしています。フォトグラファーの「洗濯機」さんは動的な一瞬を切り取るのが非常に上手で、剣を振るカットでは、刀身の反射光がちょうど顔に当たり、とても心地よい明暗を作ってくれました。また、太い白いモール縄はかなりの厚みがあり、腕に巻き付けると腕を上げる動作に支障が出たため、長さの異なる予備の短い縄を用意し、アングルに応じて付け替えました。
配色に関しては、黄×紫のコントラストカラーに青×白のアクセントが加わり、会場内での存在感は抜群でしたが、派手になりすぎるリスクがありました。そこで紫の羽織の彩度をあえて少し落とし、マゼンタ寄りの紫にすることで、黄色との対比をマイルドに整えました。竹かごには生花を詰めたかったのですが、現場で調達できなかったため、ドライフラワーの麦の穂とデジーの造花で代用しましたが、引きで見る分には十分綺麗でした。仮面(実際は仮面ではなく手袋と鹿の角)と一体化したデザイン性は非常に高く、特にエルフ耳と髪編みの小花が合わさることで、異種族ならではの幻想的な雰囲気を醸し出しています。
今回のシュウ コスプレのイベント写真は、主に『アークナイツ』のこのコーデ(皮膚)のデザインディテールを記録するためのものでした。ゲームのキャラクター作品ではありますが、2次元キャラの複雑な要素をリアルに落とし込む際は、いつも予期せぬ調整が必要です。例えばもふもふの尻尾は、実は2本のパーツを繋ぎ合わせたもので、内部にアルミワイヤーを仕込むことで上向きのカーブを保持させています。終盤は長時間立ちっぱなしでかかとが痛くなりましたが、完成した写真の光と影の美しい交錯を目にすると、すべての苦労が報われたと感じます。
会場では声をかけてくれるお知り合いも多く、「その小花はどうやってつけているの?」とたくさん質問されました。実は熱溶融接着剤(グルーガン)でウィッグの三つ編みに一つずつ固定したもので、外す時に毛束を傷つけないよう注意が必要です。手袋の模様は2パターン描き、初期版は色が濃すぎたため、後から明るい紫に塗り直したことで、レンズ越しでもより鮮やかに映えるようになりました。全体的に衣装の可動性は良好で、大きめの袖が風をはらみやすい点を除けば、非常にフィット感がありました。
最後に、屋内の会場光は雑多であるものの、逆光を上手く活用すれば非常に美しい輪郭光(リムライト)を作ることができます。例えば腰をかがめてかごを持ち上げるサイドのシルエットでは、背後の毛並みのフチが光を透過する感じが実に素晴らしかったです。今後はぜひ、屋外の自然光の下でもう一度撮影してみたいですね。また全く異なる質感が生まれるはずです。